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超速スピナー
1998年 加戸誉夫超速スピナー
いつこの作品知ったのか画像とか調べたら、高校の時なんだよな。 まあ大体の人と同じように霧崎マイ経由でさ。で定規作ろうとしてたんだな。 中に紙入れられる定規を分解して。 ![]()
面白い。振り返ると痛々しいというより「元気あるなー」という感想だ。 自分の名前を呼ばせてるってのもグー。生徒手帳に好きなキャラのカード入れて勇気もらうみたいなさ、 やっぱ閉鎖的な世界でこそ趣味ごとってのは輝きを増すね、ことに学生時代は。狭い世界しか知らんし自意識過剰だし、 一種の秘密の生活が楽しかった。もうああいう感覚は戻ってこないね、年取ったってのもあるだろうし、突き詰めてのめり込むにはそういう環境も必要だ。 まー秘密そのものとして霧崎みたいな「ミステリアスなキャラ」は極めて優秀だったわけだ。若者は拗らせてなんぼ、年取ったら知らん。 でYOUTUBEで15話ぐらいまでアップされてたから見て、漫画買ったりVHS買ったり・・・フツーだな。 ホビー系アニメの宿命なのかDVDなってないのがキツイ。ベイブレードみたいにDVDで売ってても再販とかなかったり。 だから見る手段がないんだよ。面白いのにもったいない。ベイブレードもヒカリアンも、まあポケモンも入れとくか。 ミニ四駆とかカブトボーグはBD出てるのになー、何が違うんだろうな。 超速スピナーは全22話ということもあってか全体締まってて、クオリティも高くって、ユニークで、 オリジナリティもあって、なのに見る手段がないから知名度があんまりないんだよな。一応海外でも放送されてそれなりにブームを巻き起こしたとかなんとか、それにしても もっと知名度があってもおかしくない。 まあ結局、ブームというか、時代の産物そのものだからかな、商売しないってのは。 ヨーヨーもあんまブレイクしなかったからな、競技として。だから漫画・アニメやった頃ってのはまだ発足して日が浅くって 海のモノとも山のモノとも分からない段階だったワケだな。可能性があったというか、だから参入したというか。 でも結局売れないわけだな。ベイブレードは今でもそれなりに売れてるし知名度あるけど、ヨーヨーは狭い界隈から広がらなかったわけだ。 しかしヨーヨーでバトル漫画ってのはかなりユニークだよな。ロボットやベイブレード、他のスポーツもののよーに他者とぶつかって、じゃないからな。 あくまでも個人競技。相手を負かす、より自分がどうだったか、が問われるというのか。
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ホビー系っちゅーか、この手の作品って、元気だけが取り柄の主人公がたまたますごいアイテムを手に入れたり、能力(必殺技)を開花させられたりっていうものばかりで だからこそ、現実で何もない子供たちを元気づけたりするんだけど 本作に関してはそういうのがない。ヨーヨーに開花したぐらいはあるけど、あくまで現実的な線での進歩・上達でしかないし(グローブも込みで)、 最初から運動神経抜群の器用な主人公がヨーヨーでもうまくやってるという次第で、キッズを甘やかす展開はないのだ。 勝負の仕方なんかもそうなんだよ。ベイブレードは見守るだけ(声出したりオーラ出したり)、遊戯王は引きのよさ、ポケモンはポケモンが頑張るだけ。 でも本作は自らの肉体と注意深さ以外に勝利に貢献できるものは何もないんだよな。だからものすごく自分をイジメるわけだよ、主人公は。 グローブから、ループザループ1000回、うつ伏せでループザループ(これはマジにしんどい)、ヨーヨーのストリングはまだちぎれないか、ヒビいってないか・・・だとか。 投げたらあとは放ったらかしとかじゃなくて、終始集中力と体力が必要なストイック競技さ。 やはり自分との闘い。相手がどうとかじゃない、自分だけ。 そういう感じなんで、つまり人と掛け合わせての勝負ってのが あんまりないから、世界篇に行くとヨーヨーへの姿勢だとか事前準備の大切さ、チームプレイとはなんぞや、というのがメインになる。 逆に言うとそれまでの展開はあえて人と掛け合わせるような方法がとられてたわけだ。バーチャル映像での勝負だとか・・・。 まあクールだな全体的に。もちろん少年漫画原作らしい熱血とか努力、勝利とかあるけど、それまでのホビー系、バトル系、競技系にはないストイックさが見どころ。 そんなクールでストイックでスタイリッシュな競技に似合ったキャラクターたちも魅力的だ。
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ヨーヨーという作品に相応しい器用さ&ファッションの堂本舜一、ヨーヨーの天才という難しい設定を典型的な中性ルックのライバル像で納得させる北条院聖斗、 実在の人物ままに登場させる中村名人、ストリートファッションの小暮宙太、かわいい弁慶くん、旧時代なビジュアル・ヒロインのりあん、人懐こいなるみ屋のおっさん、と ヨーヨーという新機軸の世界に似合う新鮮なキャラクターたち。 ![]()
で、というかやはりというのか霧崎マイが圧倒的な人気だ。ビジュアル的にも華があるし、キャラクターそのものも極めて気になる逸材。 ホビー界の灰原哀とか書いたけど、灰原哀が原作に登場したのが1997年9月10日のサンデーで、スピナー連載開始が97年12月だから影響受けてる可能性はなくはないよね。 優れたルックス、謎制服、スカート、足、ミステリアスな性格、と美味しいとこどりしたような感じ。灰原哀のエキス版といったところ。 でもダッシュ勝平の瀬里香も近いかもしれない。地味な卓球少女と見せかけて・・・という。
アニメでも描写に気合が入っていて、原作にはないシーンがいくつか追加されている。特に前半部における物憂げな表情には、 どこか放っておけないムードがビンビンに炸裂しており、美少女にありがちな、魅惑の「何考えてるの」がス・テ・キ。 輪刃の後ろにずっと張り付いて「いつからここに?」の問いにストップウォッチ持って「一分五秒前」と死んだ顔で語り、
一転 ニヤニヤ、からかったような表情で去っていく、という愛嬌のあるミステリアス味が最高。あと迷子シーンにある天然なところもいい。原作では登場の物腰から全部が全部計算なんだろうなと思ってしまうぐらいに不敵なんだが アニメでは隙が多く作られていて大変結構。そうそう、やっぱどうなんすかね、彼女の戦法として油断させて勝つってのはあると思う。 だから認定店がなくてレベルがないってところから嘘なんじゃないかと。そんな感じがする。特に世界篇の食えなさを見ていると。 そやねん、世界篇の霧崎マイはね、ミステリアスから一転、性格難というか面倒くささが表出しまくっていて「いや、そこがいいのよ」というファンの声もわかるんだが、 俺としたら「底が見えちゃったーー」つー感じで賛否あるね。それに徐々に新鮮さが薄れてなぞっていくばかりだから 最終的に「いちいちケチつけたり皮肉言ったりうるせーよ」って感想だ。いくらカワイイからって調子のってんじゃねーぞみたいな。 それが灰原のエキス版である欠点だな。つまり過去がどうだとかの重みがないから、その物腰・性格が地のものというか・・・ 灰原が皮肉言っても自分の境遇が起点なんだろうとか、またあえて悪ぶることで被害者の立場に甘んじないという姿勢が見えたりするんだが、 ただグチグチ言うだし、コケないからな霧崎はなー。これで一回痛い目にあうとかならまだかわいげが出るよね。 まあ、チビ崎さんもしかすると背が低すぎるのがコンプレックスでそれを補うためにああいう性格になったとかなら面白いかもしれない。 そういう点で言えば本作は全22話、つまり関東大会篇で終わってるので、人と掛け合わせたヨーヨーバトルとしても 霧崎的な点でもちょうどいいかもしれない。そうそう、輪刃の境遇もそうで、世界篇行くともう完全ヘタレキャラになって、「俺はこれ以上負け犬に成り下がるのは嫌だ」と敵についてくという クソダサい流れで半分ロボット化し最終ボスみたいになるという最悪のシナリオになる。しかも「霧崎に負けて以降俺は卑屈になっていた」という説明付きで。 これならば関東大会篇で終わってしまったアニメ版の方が名誉(笑)が守られているというもの。 気になったのは、輪刃が霧崎を負かしてたら霧崎は輪刃を気に入っていたのかどうかということだ。
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輪刃が負けたから、自分が負かしたから「からかっている」という状況があったわけだけど、もし輪刃が勝ってたら 同じように接近していたかどうか。答えはノーだ。あくまでもからかえる対象として、それも自分が優位に立っているからこそ出てくる余裕ありきだろうと。 それが輪刃という兄ちゃんに不敵に接近させた要因だと思われる。ただ、勝ち負け以前のところで興味を持っていたのは間違いない。 まず興味があって、その上で接近しやすい状況が生まれ、コミュニケーション、という流れだから。じゃあ何で興味を持ったかだ。 まあループの輪刃ってのはすでにヨーヨー界で知れ渡っていたわけだからその時点で興味があったとか、 ループバトルでの戦いで興味を持ったとか、まあ色々あるわな。 しかし一番はやっぱビジュアル、ルックスなんだろうな。不良とかリーゼントだとかモヒカンみたいな男好きになる女の子いるけど、そういうのがあるんじゃないか。 カワイイみたいな。突っ張ってる男を好きな女はいるわけでね。格好いいってのもあるんだろーが。 実際輪刃格好いいもんな。アニメでは特に。 原作ではちょっと背伸びしたヤンキー少年って感じなんだけど、アニメでは不良がかったクールなお兄さんになってて 年齢(おそらく小5)の割に妙な色気が出ている。
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甲高のブーツにレザーパンツ、白ティーに袖びりびりのブルーベスト、手錠にグラサンというストリートでハイセンスなビジュアル。これはモテる、これは格好いい。
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本作がすごいと思うのは、大抵の作品って女には華があるけど男はそうでない、またはその逆、ってのがスタンダードだと思うんだけど 本作は男女ともに華がある。霧崎マイと輪刃、この二人の華は半端じゃない。
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カップリングがどうとか以前に洗練され尽くしたデザインが素晴らしい。 だから個人的には霧崎マイ、だけでなく輪刃くんもまた画面上で魅入られる存在の1人なんだよ。 ヨーヨーという新興競技に相応しいスタイリッシュなファッション。馬鹿みたいに格好いいぜ。 だから霧崎が輪刃気に入ったのは、こんな気合入ったヴィジュアルの癖に一回戦で自分に負けたってのがツボだったんだろうと。 そういう意味で、輪刃が衝撃の退場してからは少々画面が寂しくなる。そこから霧崎マイが台頭してくるからプラマイゼロでしょという意見もあるだろうが、 やはり輪刃不在の穴は埋められない。しかし質実17話以降霧崎輪刃の二人が揃ってからは俄然華が出てくる。
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声もいいよな。遠近孝一、大本眞基子という超個性派。これまた華がある。大本眞基子はゆらぎボイスとかいうらしいが遠近のそれもなんか ゆらいだニュアンスがあっていいんだよな。クールで熱血という遠近孝一のハマり役だ。
彼らの華を考えると、ザ・華であるべき北条院にはあまり華がない。 もちろんメインキャラとサブキャラでは求められる存在感も違うから、ド派手すぎず地味すぎずという匙加減があったんだろうが、 それにしてもアニメの北条院は何か地味なんだよな。声がうえだゆうじだなのは良いことなんだけど・・・ 単純に顔のデザインなんかな。なんかアニメの北条院はね、顔が不気味だったりするんだよな。 どこか病的なところがあるんだ。顔色がまず悪い。真っ白。初期はいいんだが、どんどん顔色悪くなっていく。 人間つーより宇宙人的な顔色の悪さ。で顔がかっこいい時もあれば、怖いときもあり、不気味なときも・・・。
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原作での中性的ルックで貫徹ーーならも少し華が出たかもしれない。 うえだゆうじだの声に引っ張られたのかもしれない、いや演技は合うけど、線が細いのか太いのかがキワキワに見切れない巧さというのか・・・ それが顔にも出てるみたいな。顔が一定しない。 二番目のオープニングのラストの表情なんてひどくて、あのルックスなら左目見えちゃいかんのに見えちゃってるから 平たい顔族になってんだよな。出目金。どうなんすかね、モンゴロイドなのかコーカソイドなのか、そこら辺も判然としない。 ファッションもよくない。最初着てた黒のスーツというか一張羅で通してたら金髪と白い顔色と合ってたんだが、脱いで青のトックリかセーターになって、 その青がさらに顔色の悪さに拍車をかける。 金持ちの美男、文武両道のピアニスト、ヨーヨーの天才、母を早くに亡くし父とも確執があるーー濃すぎるドラマも相まって、それを背負う小学五年生に相応しい 多面性というのか笑。 りあんも華がないね。スパッツキャラってのは新しいんだろうが、どこか古い。これを見ると霧崎のデザイン性の優秀さが分かる。まあこれもメインキャラとサブキャラの違いがあるんだろうが。 で華・華というと、やはり恋愛みたいな要素もそれに含まれるんだけど、本作に関して言えば堂本とりあんの関係性は、ドラマはあるにせよまったく無味無臭で、 そういう意味じゃ輪刃と霧崎、そして何より堂本と北条院なんだよね。
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どう考えても堂本と北条院の間はライバル以上恋人未満みたいなニュアンスがあるよ。北条院の謎めいた、その厚いベールをこじ開けてくる野蛮な堂本ってのは恋愛ものの定石なんだろうが、 世界篇に至って、北条院を誰にも渡すまい(負かすまい)と絶対的な信頼を置く堂本ーー北条院は結構そっけないというか毒舌的な面もあるんだが堂本の前では 弱音を吐いたり、一緒に暮らしたり、一緒にサバイバルしたり・・・北条院が中性的ってのもあるんだろうが、中々一筋縄ではいかない関係だ。あ、原作の話ね。そうそう原作のおまけ漫画では北条院は女装して 山賊のワッパ&霧崎に捕まってしまうのだ。そこでの輪刃がまた情けないを通り越してチンケでな、俺の嫁さんにしてやる、だとか。 考えたら物語の起から激しい。北条院と圧倒的なヨーヨーテクに魅せられて勝てねえ、と。で北条院が大会に出るよとつぶやいて、そこから猛特訓、みたいな。負けず嫌いも合わさって、ライバルだけでない熱い何かが(こと原作では)生まれている。自分と全く接点がないような超エリートへの挑戦・興味、色々あるんだろうが・・・アニメ全22話の内、4話から最終話までをJCC大会に費やしている。つまり最初の2話ぐらいで北条院を知って、その熱気を残り20話そこらまで引っ張るわけで、原作以上に北条院への執着が激しく感じられる。10か月だからな放送期間。10か月をたった一日のJCCにつぎ込むんだから。
22話を十か月ということで、アニメ全体のクオリティは極めて高い。唯一16話だけポンコツ作画だが、それ以外は優秀だ。 特に8話まで使われていたセル画クオリティは、90年代末期ということもあってかほとんど映画を観ているかのようなムードだ。 (ここの臨場感は見事) 9話以降デジタル作画が使われ、それまでの濃厚なムードは消えたもののヨーヨーというハイソな世界に合っている。 特に原作ではオミットされたサイバースペースでの戦いがアニメでは完全映像化されており、アニメ化とかかくあるべしな独自の演出が楽しい。 原作3巻分を22話まで延ばさなければいけないので、メイン・サブそれぞれのやりとりが増えたりして、世界篇なくても作品のエッセンスは十分伝わる。 原作の足りない部分を補っているという意味で優秀なアニメ化だ。そうそうDJのアドリブも頼りがいがあっていい。 ただキャラデザの石原満作画は後半、顔が出目金みたいな癖がついて変だな。不気味さが増してね。坂崎忠・前田明寿辺りはいい。 結局、ヨーヨーは競技としては伸びんかったし、中村名人もどっかいっちゃったし、一時のブームに過ぎなかった。 今ヨーヨー競技は日本をメインに海外勢も参加したりして「競技的には」進化を続けている。 本作にあるような単純に技を競い合うそれはなくって、音楽に合わせて技を披露しあう「舞踏ヨーヨー」が主流だ。 日本人の三浦くんをはじめジェイク・エリオット、Zach Gormley、Gentry Steinらが超絶的な技で人気を博す。 ただヨーヨー競技の再生回数は100万そこらが限度で、ヨーヨーで飯食ってる人間は10人いるかどうかぐらいだから、 まあマイナー競技で終わったな。本作はまだ未知の可能性を秘めていた頃のヨーヨー界を舞台にしたもので、今の目では ショボい競い合いかもしれないが、どんな競技も時代が進むにつれて、悪く言えばグロテスクになっていくもの。 技が超絶過ぎて人間味がない、みたいなね。そういう意味じゃ、まだ朴訥だった頃のヨーヨー、可能性に満ちたヨーヨーが楽しめる作品だ。DVD&BD待ってるぜ。