アラブ紳士 
シン
              from 633爆撃隊   

ハッキリ言って一番最初にこの映画を観た時、物語の要となる633中隊メンツの 顔と名前が一致しなかった。 が2回目以降には完璧に理解することが出来た。 登場人物全てが分かりやすいステレオタイプだったのだ。 何故一回目で理解できなかったか。 それは、ある1人の男が原因である。 初心は何処に。チャキリスよりもっと濃い男がいた。  ソイツがシンだった。  sin


これがシン

濃い顔、ターバン、長身、意外に軟派。

思った

 

はっきり言って彼の出番自体が少ないので 同じくメインパイロットを務めるスコット、ギルバートと比べてその個性を発揮する事が少ない。  「見た目だけで十分渡りあえるだろ」といった監督の判断かもしれない。 がそんなことはなかった。 渡り合えるどころの騒ぎでなく 画面に出てくるだけで他のキャラクターを完全に喰ってしまった。規格外。 


軌跡

                

初っ端から対空砲の報告を皆に言う彼。(台詞2つ中1つ目) 誰も返事しない、当然のことだからだ。 直後隊長を囲んでにぎやかに談笑する場面がでるが 誰かの陰謀か、シンの爆撃手までもが映っているのに シンだけはギリギリ映っていない。見た目とは裏腹に影は薄いようだ。(矛盾しておる) 飛行訓練に入る前のシーンで初めて名前が明かされるが あの顔でその名前か!とそう興奮したのを覚えている。 爆撃手も名前は明かされていないが眉毛が異常につりあがっている。 シンの横に座る権利はある。 スコット、ギルバート組は訓練の様子などが描かれる訳だが シン達の訓練シーンはない。つまりは後のお楽しみと言うわけである。 そもそもが強そうなのであえて描く必要がなかったか。大活躍の予感をさせる。   sin2
見よ、圧倒的存在感。 パーティーのシーンでは酒を飲んだりして楽しそうである。  ターバンをつけたまま、これにはビックリした。    sin3
パーティーシーンにおいても断トツに目立つのはシンであった。 女店主がスコット達に言い寄られるのを見て 「よせよ。俺が通してやる。」と優しさ溢れる彼の正義が試された。 長いシーンでない、4〜5秒のさらっと流れる様な場面だが 彼の性格を探るのに一役買う台詞だった。 ちなみにコレ以降台詞はない。 バーグマンの妹ヒルダが登場した際には 皆と同じように彼女に興味深々な様子で自慢の髭を撫でまくっていた ビールで乾杯するシーンでは特に演技指導がなかったか 女性に対し挙動不審、ビールを最後まで入れて貰えないなど ださいというか、格好が悪かった。余り他のメンバーとは打ち解けていないのだろう。 見た目が仇となったか。 しかし最後までニコニコしていた。なんだか切ないのだ。 このくだりは是非見てもらいたい。  21世紀、学校、社会でもこういった奴は数多く存在する。 50年前にもそんな野郎が存在したとわかる貴重なシーンだ。(そうかな)  ビッケルの結婚を祝うシーンでも最高の笑顔で送り出している。 皆と一緒に。仲間の幸せ、苦しみを共有する事が何より大切なのだ。 作戦通達のシーンからいよいよその存在感を発揮させる。  顔のどアップも含め、不敵な笑み、彼のみ既に帽子とゴーグル着用など。 こんな具合だから結局彼の頭髪を拝むことは出来なかった。 ドラマパートでは殆ど出番はなかったがいよいよの際 ようやく出ずっぱりになる。まさにウェッジ・アンティリーズ。 


任務〜最期〜

 

無謀な作戦下、爆撃隊は絶壁に激突、砲台、敵機に撃墜されていく。 その中で目標に向かい突っ込んでいく火達磨となったモスキート。シンの乗り込む機体だ。 シンの血気迫った表情。砲手は眉を折りたたみ左翼を見つめる。  いよいよ目標場所だ! そう思い爆弾投下ボタンを持つ爆撃手。 が投下には至らなかった。 急に笑みを浮かべたシンが右手を前に出し、制止したのだ。 直後シンは砲台の弾が体に直撃し即死した。  前のめりに倒れこむシン。 爆撃手は遺体を傍らに目標の大岩に特攻したのであった。 シンは自分達が助からない事を知ったのだ。 それは同じように火達磨となったドンの機体が爆弾投下直後 無常にも墜落していった事からわかる。  だからこそ急に笑みを浮かべたのだ。 爆撃手との関係は分からないが仲は悪くなかっただろう。 どうせ死ぬなら体当たりしよう!直後の制止に戸惑う爆撃手。 最初意図は分からなかったのだろう、すぐに投下ボタンを持ち直す彼だが シンが戦死した直後、彼の意図を汲み取ったかの様に散った。   sin4
第2次世界大戦の映画でアラブ系パイロットが出てくるだけでも稀なのに 予想通りのインパクトや映画史に残るであろう戦死シーン含め 色々と美味しいキャラクターだったように思える。  演じたジュリアン・シェリアーはこの作品で35歳。  俳優としては大成しないまま2012年にこの世を去った。 出番は少ないながら この作品に対しての並々ならない意気込みを感じるのは 有名俳優が演じている物よりもよっぽど価値がある。


シンは二度死ぬ?

 

基地内空襲の場面での1シーンである。

走って逃げ惑うパイロット達。 だが、これは間違いなくシン。 射撃に倒れ間違いなく死んでいる。 おそらくシンは 役者の知名度からしてこんなに活躍するキャラクターではなかったのでは? だからこそこんな早く、あっけなく殺したのか? もしくはどうせ誰か分からないだろうから モブキャラクター的感じで誤魔化し殺しだったのだろうか。 だがジュリアンにエキストラは似合わなかった。 濃すぎた。分かり易すぎた。 最後に考えられるのは、そうだ。 あれはシンであって 銃撃に倒れこんだが復活したのである。 やっぱりスゴイ男だな。インド


その他

 

DVDジャケットにはシンと爆撃手は描かれていない。  少し腹立つ。宗教的な問題?


   

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