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今のアイドル声優どうこうってのは、タイプとしては90年代半ばからなんだよね。 80年代にもいるけど、現在ほど露骨なそれじゃない。 で、声優に中山さらっていうのがいるけど、まさしくアイドル声優のはしりの時期として登場した。 言い方変えれば今風の声優と言えるかもしれん。 今風の声優とはつまり、生活感より技術が最優先されるタイプということ。 声優だけでなく俳優でも人間そのものでも、もはや生活感というものが薄れているから 作品にもそれが影響し、だからこそインプットする側にはそれら要素は求められないし、できない。 具体的に言えば80年代初頭までは生活感と技術が合わさった人たちが多かったが、徐々に生活感は消えていった。 技術のみか、もしくは生活感のないいわばアイドル的人気とでやっていく世代の最初が、 声優では90年代からだと思う。彼らはアニメ世代第二号だ。うる星やつら以降の日本アニメで育った。 で中山さら。 90年代初頭にデビューし、最初はいわばアイドル的人気を博す。 健康的な声に、子供から大人までできる技術、そして並み以上のルックスと 典型的な今風の若手(アイドル)声優として登場した。 頭もルックスもいい方で、事務所的には期待の新人と売っていたのか いくつかチャンスがあり、94年、当時20歳にして早くも名を上げるチャンスが。 当時人気だったスーパーリアル麻雀シリーズの遠野みづき役。 リアル麻雀シリーズはキャラクター人気が高く、そのまま声優人気にもつながるもので ドラマCDや歌などのメディア展開も続き、中でも遠野みづきはキャラクターとして作内一位二位を争うセックスアピールの持ち主であり 十人以上が並ぶ人気投票では一位を獲得したりとニッチな人気を博した。 これによりまずオタク層にそれなりに名を売り、その後、多くのゲームに助演主演等する。 オタク向けの作品が多いが、人気シリーズ「電車でGO」の解説キャラを担当するなど一般層にもアピール。 テレビや映画でも名ありのキャラクター出演が増え、今ではクソゲーと謳われる「アンシャントロマン」のヒロインや 生活型ゲーム「ルーム・ウィズ・リナ」のアングラヒロイン役、「卒業�V」のアイドル声優的活躍ののち 1999年、NHK放送「スージーちゃんとマービー」というミニアニメで初主演。当時25歳。 その後、2001年に青春エロゲー・「グリーングリーン」の主役千歳みどりを演じ、2003年にはアニメ化を果たし ゴールデンタイムのアニメ「D・N・ANGEL」のヒロイン・原田梨紅と着実にキャリアを積んでいく。 しかし同世代の売れっ子と比べて、いわば決定打というものがなく オタク向け作品でのニッチな人気ばかりというところで、2007年「ゲゲゲの鬼太郎」のレギュラーキャラ呼子で2年間出演。 国民的アニメかつ日曜朝、さらにはレギュラーとようやく一息ついたという次第。33歳。 ここで嬉しいのはレギュラーキャラのほとんどが知名度の高い声優ばかりで、 知名度がないのは中山ともう一人ぐらい。なぜ抜擢されたか。俺は、こういう世界は情の世界だと思っているんだけど それは中山さらに実力がないとかじゃなくて、やはりキャスティングにはこの事務所から何人ってのがあるワケで そういう中であえて中山さらを選んだってのは、やっぱ努力賞とかじゃないけど、でも「よくやってるしね」という 大きくブレイクはしなかったけどコツコツと頑張ってたタレントへの愛情なんだろうと。 別に中山さらじゃなくてもいいワケでね。個性的とかいう声優じゃないから。 でもあえて、ってのは情の世界っすよ。嬉しいね。 その後はNHKアニメ「エレメントハンター」の美少女ロボットユノ役がまたもニッチな人気を博したりと 大きくブレイクはしなかったが、一般的見解として自信をもって声優だと言えるキャリアを積んでるな、という締め。
ただニッチにいいキャラを演じてるってのはあるよな。「スーパーリアル麻雀」から「電車でGO」とか 「学校の怪談」の名エピソードのゲスト・今井ミオとか 「ハルヒ」のライブシーンのベース担当・財前舞とか、あーはいはいあれかーみたいなさ。 上に書いたように、ある種現代的な凡声優なんだけど、そういう個性で言えば 充分なキャリアなんじゃないかな。 ブレイクポイントは確実に「スーパーリアル麻雀」の遠野みづき役で みずいろCLUBとかいうファンサイトもそこからはまったんだろうし 「卒業�V」のファンコールも中山が一番多かったらしいし、オタク人気ではピーク。 ニッチなキャラでも人気が出るってのは女性声優には大事。 人気の出方ってのは可愛いとかあるけど、エロいってのも重要。 若い世代やオタク世代に知られるにはそこからってのは常道。 だから少年漫画のハーレムものとかは新人声優がこぞって出るワケ。 今は飽和状態だから何とも言えないけど、人気最高潮のリアル麻雀の全く新しいタイプの褐色美少女・遠野みづきへの当時の衝撃たるや。 そこからは大きくはねもせず落ちもせず、だったけど「グリーングリーン」は中山さらを代表する大事な役だ。 エロゲーはエロゲーだけどいわゆる青春エロゲーで、今のエンタメの過激さで言えば こんなもん17禁・・・15禁でもいいと思うわ。 当時の弱小資本による、エロゲーから名前を売ってコンシューマー、でアニメ化っていう企みなんだよな。 key作品みたいなもんでさ、今の目で見ればエロいらんよなっていう。それはエロシーンのショボさとか・・・。 でも声優だったり、シチュエーションだったりの勝利で、いい感じなんでね、いるかもしれんけど。 少なくとも時代を代表するって作品じゃない。でも確実にいたよな、っていう存在感。 ニッチゆえファンに火をつけ、ここまで展開したってのも、ファン層の徳を感じるし、いい出会いじゃないすかね。 もう一つは「D・N・ANGEL」のヒロイン・原田梨紅役。 当時2chのアニメ最萌トーナメントとやらで2003年の優勝者に選ばれるなど、 にっちな人気を獲得。作品自体未だに支持され、名実ともに中山さらの代表作に。 言ってしまえば素朴なんだよな。素朴。 で「鬼太郎」。「鬼太郎」のDVDBOXの特典に高山みなみ監督演出の声優総出演ドラマがあるんだけど 声優がキャラのコスプレして京都の町を歩いたりとか・・・で、鬼太郎と呼子が一緒にいるから 出ずっぱりなんだよな。中山さらが助監督だったっけ。ほぼ主役クラス。面白いぞこれは。中友子もサマになってるし。 高山みなみも面白いし、全員面白いな。企画としては楽しい企画だと思う。 そういうキャスト仲の良さも感じられる作品。で、5期も素朴なんだよな。映画の不発もあって、打ち切りもあって なんかこう、従来ほどのパワーはなかったけど、過渡期の作品としてのマイナーな温かみがあるんだよ、いいね。 呼子も素朴。続く「エレメントハンター」も素朴。派手な作品がほぼない。中山さらってのは素朴な声優ということで
で、今は國學院大學神道文化学科の大学院生らしい。 もともと本名の中山真奈美から中山さらに変えたのも沙羅樹の沙羅をとってさららしいので 神道的な興味はあったようだ。 神道文化学科は神社や寺の跡継ぎが入る場所のようで偏差値も低いところだが 日本の大学で神道文化を学べるのはほぼここしかないので、インテリガチ勢もそれなりにいて 中山さらは大学院では主席になったらしい。で論文が雑誌に掲載されたりして好評らしい。 なので今は声優活動は休止中、かもしれない。 そうそう大本眞基子も在学していたし、顔合わせる機会ないのかな。 オチを途中で書いちゃったけど、今に続く没個性的な現代的声優として見れば 中山さらぐらいのキャリアがあってようやく、自信をもって声優やってますと言えるんじゃないかな。 これがひとつ基準なんだよな。 オタク人気あり、エロゲあり、一般的作品あり、国民的アニメあり、ニッチなキャラ人気あり、と あらゆるジャンルを網羅し、ド派手な作品はないが堅実って感じで・・・いいんじゃないでしょうか。 これが一つの基準だとね、胸張って声優ですと言える。