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水色時代
1996年 ときたひろこ作
水色時代
何で知ったのかなと思えば、高校生の時に金あったから何かちょうどいいものないかとネットで 探してたら5000円ちょっとぐらいでDVDBOXがあって、絵柄もちょうどいいんでっていう感じだな。 何にも知らずに買った。未だに一巻しか持ってないけど・・・。文庫本は持ってるけど。
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やっぱ当時のあずきちゃんとかの系譜なんですかね、小中学生のリアル、みたいな。 この手の作品は高畑のおもひでぽろぽろの影響が結構あると思うんだけど、 90年代らしく色が淡くて目が小さく、従来より線が細くなった感じ、それに加えて 90年代のジメっとしたイメージと、心理描写が当たり前になってきた当時のアニメシーンだからこそ 水色時代的な・・・系譜なんだろうと。当時のエンタメはカラッと暗いイメージなんだな。 ドラマとかもそういうの流行ってたしね、いじめがどうだとか。世紀末ですよ。 であずきちゃんが小学生の等身大ハートウォーミングなら、水色時代も等身大なんだが、殺伐としてんだよな。 何故かと考えたんだが、それは二つあってまずは小学生か中学生というところ。 あずきちゃんもおもひでも舞台は小学生であって、つまり大事に大事にされてるころだな。 まだ勉強より遊び、だし、言ってしまえばまだ人間になってないというか・・・人間なんだけどね。 作り手も、受け手も小学生作品に何を求めてるかと言えば暖かさ、なんでね、それもある。
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でも水色時代は中学、つまり一気に大人の世界というかね、反抗期だとか、勉強だとか、いじめだとか 一気に「大人の準備」のかほり濃厚なんで、大人も怖くなるし、守りよりも攻め(挑戦とか)を煽られるし 様々な意識がガラッと変わっちゃう。現実という殺伐の第一歩といったところか。 で作り手も受け手も、中学生作品は小学生のそれよりショッキングやアクシデントを求めるワケだ。 いじめから犯罪から性まで。なのでリアルなトラブルの種がいつも用意されていて、不穏なんだな。 だからこそあずきちゃんみたいに漫画的な解決ってのがない。おもひでみたいに空飛ぶこともない。 もう一つ言えば色合いなんだな。何を表現したいのかってのが先にあるんだろうが 水色時代はタイトル通り寒色なんだよな。寒色が多い。制服も青だし、コンクリだし、中学生だしというところか 寒々とした殺伐な空気が欲出てる。あずきちゃんやおもひでぽろぽろは暖色って感じだ。 同じセルでも空気感が全く違う。冷風と陽光ぐらいに違う。 90年代に入ってさらなる表現力を獲得したセルだが、冷風はまさに90年代入ってから獲得したムード。
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女子中学生を、重くなり過ぎないリアルハートウォーミングなタッチで 友情とか進路とか家庭とか、何よりも恋を中心に描いたやぶうちえみの同名漫画を原作に 女性アニメ監督のはしりであるときたひろこがタッチYAWARA風味で監督。つまり、 スッパリとしない、妙にじりじりと生殺しな女キャラクター像の描写が特徴的。生々しいとは言い過ぎか。 もちろん、女キャラだけでなく男キャラも妙にリアル。原作とアニメ見比べるとアニメの方が おもひでぽろぽろと同様、殺伐としていて、キャラクターのつっけんどんも強い。 特に父親や教師、男子生徒なんてのは初期は本当あたりが強くてハラハラする。愛嬌がないってことで。 話数が進むにつれコミカルな描写が増していったが・・・。
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少女漫画特有の生理話もあればいじめや色々あるんだが、やはり恋愛がメイン。 成績がよくてスポーツもできる、でもあか抜けないメガネの幼馴染が中学に入ってコンタクトにして 一気に格好良くなって、意識しだして、でも親友が彼のこと好きだったり、後輩も好きになったりして とか、そういうノリはもちろんのこと、お互い意識しだしてからの悶々とした部分やケンカなど 丸ごと見せちゃいますってな感じ。幼馴染同士で言えること言えないこと、彼氏彼女で言えること言えないことの 差異なんかも書いたりして、地味でリアルなのが特徴。その点、殺伐が恋愛劇を濃くしている。
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あずきちゃんと違うのはどうしてもギャグや漫画タッチでない、いわばエネルギッシュなムードでない いやらしいほどの等身大さ加減なので、エピソードの締めも真面目なものが多い。道徳の教科書に出るようなやつ。 主人公も成績あまりよくなくどんくさかったりする。またあずきちゃんほどに純情でなく、 恋愛感覚や性格も打算的でもあるし自己陶酔もあったり、とこれまた等身大モデル。
(主人公と姉)
あまり爽やかな感じではない。漫画じゃ淡いタッチでさらっとしてるんだけどな。 アニメも透明感あるしかなりクオリティいいんだが、上に書いた冷風や殺伐がセルでより増してるんで・・・。 当然キャラクターもそこまで個性的でない。毛が生えた程度の個性で、中身はやっぱり妙にリアルな感じ。 で全員性格悪い方にリアル、なんかあたりがキツイというか・・・ぶっきらぼうというか、薄情というか・・・ 爽やかな奴がほぼいないんだよな。はしもーとかまりりんとかもじめっとしてて。まあ幼馴染の長沼くんは爽やかなんだが優等生すぎて・・・ お調子者の触れ込みでやってきた山田も無駄に繊細だったりして、そういう意味じゃ高幡多可子なんだよね。
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唯一アニメチックな押し出しを持っているのが多可子で、DVDパッケージで見るビジュアルもいいんで DVD買う原動力になったのは確かだ。主人公カップルは等身大に地味なんだが、多可子は全体アニメチック。
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多可子はビジュアルからしていいんだが、性格の押し出しが強くて、当たって砕けろみたいなタイプなんで もじもじしてる連中と比べて颯爽なんだよな。周囲の沈滞している空気をグワーッと動かしてくれる役割。 ちょっと空気読めないところあるけどね。 最初は優子にあたりが強かった。一応小学生からの付き合いなんだけど、地味な優子と派手な多可子っていう感じで明暗はあった。 ただ経済的には恵まれた家庭だけど親が仕事でいなくてかぎっ子だったりして、寂しがり屋なのか色んなところ空気も読まず突っ込んで トラブル起こしたりして嫌われたり、面倒くさい感じのやつだった。中学入るころには落ち着いたが・・・。
で、なぜあたりが強いかと言えば多可子も長沼くんが好きだったから。で告白して振られて、っていう・・・
(寝不足の顔)
負けキャラなんだよな、カワイイのに。で本作のリアルさってのは人間の多面性な。その後、多可子は優子と仲良くなったけど 例えば部活(ブラスバンド)の後輩なんかにはあたりが強い。優子も後輩への指導でどうやればいいのかと苦悩したり・・・ ずっといいやつにはなれない、嫌いな人もいるっていうのがリアルなところだ。まあいじめとはしないんで・・・。
小学生時代から長沼に振られるまではロングで、![]()
その後ショートカット、
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で3年なったときにはセミロングになって、ずっと美人。
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でスタイルがよかったりして、明確に美人だと言われたりするんで、それなりにはモテる。
11話タカ子の恋では転校寸前の柴崎くんに告白されて長距離恋愛に発展。
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修学旅行回ではMV的にキャラソン流れて気合が入っていた。
演じたのは樋口智恵子。子役上がりで当時15歳。 本作は全員プロの声優だったあずきちゃんと違い、おもひで方式で同年代の子役を何人か抜擢。 一部プロ、大体がプロに毛が生えた人たちで、残りは子役という感じ。 長沼くん役はジャニーズの秋山純。当時ジャニーズ声優が流行ったが、朴訥に陽気でイイ感じだ。 マネージャーの坂本真綾も子役上がり。北野役の宮島衣里も新人、はしもーもトンちゃんもそう。 樋口智恵子は本作以降声優の仕事をメインに、多少アイドル業みたいなこともやったりした。 個性的な声と人懐っこい感じでそれなりに注目されるが本人が声優界で一、二位を争うぐらいに金持ちの家に生まれたので、ある意味では道楽。 そういう意味でかここ10年はあまり活躍していない。貪欲さはない。 まあでもこの作品で樋口智恵子にハマったんで、多可子のキャラと合ってたし魅力あったんだろうな。 本作で言えばスター性では樋口智恵子がぴか一。本作で生まれた最大のスター。 ただこの作品で縁ができたのか坂本真綾と一緒にコンビを組んで音楽CDとか出したりしたが 人気は雲泥の差。CDでも坂本が歌いまくってるのに樋口はトークばかりで損な役回り。愛嬌はあるが。 それでも金持ち特有の余裕とかあっけらかんとしたところがあって腐らずに済んだ。徳の高い好かれるタイプ。