色んなアニメ知ってから再び見てみると、絵といい雰囲気といい世界観といい、日本テレビアニメ界の至宝だよな。 クオリティも高いし、オリジナリティもあるし、個性強いし、異国感ありつつ日本的だし、翌年の天使のたまごと合わせてノーブルな印象だ。 どうしても辛気臭い貧乏ないし中流な印象の多い作品の中、本作はナチュラルhighな暮らしぶりばかりで、そこも異質だ。 マリエルもベリーキュートだし、ああいうデザインのキャラいないもんね。品があって媚びなくて、媚びてもかわいいし。 それこそtvアニメを語る際に絶対に外せない作品であって、テレビがよくやるアニメベスト100とかでも絶対に出るはずなんだよね じゃあなぜ出ないのか。なぜ知名度が低いのかといえば、やはりそれだけ最終回がやばかったということなんだろう。

何度も書いてきたけど、よりにもよって一番やっちゃいけないことをやっちゃったっていう。 まず二つのテーマを完全に殺してしまったことね。マリエルの成長とメモルとの別れ。 この二つは俺の思い込みとかでなくって完全そっちの方向に意識的に描いてるってのがわかるんだよ、50話までの流れで。

マリエルってのは病弱で、友達がいなくて、引きこもり体質な女の子なんだけど、メモルっていう宇宙人と出会ってから 外に出て、友達作って、いろいろ経験して、恋もして失恋もして、学校行って、アグレッシブになって、どんどん成長していくわけ。 で、メモルは宇宙船が故障したからマリエルの家近辺に降りてきた宇宙人の一人で、いずれ宇宙船が回復したら リルル星へ帰るんだと。でもマリエルとは友達以上の仲になってさ、帰りたくないわけだよ。 しかしリルル星には親もいるし、仲間たちも帰りたいとか言ってさ、それも最終回間際に、そんな話も出てきた。 だから見たまんまの期待からするとさ、いずれメモルは帰るんだと。それを分かってて、じゃあどんな別れ方するんだろうとか それを念頭に入れてみるわけじゃないすか。まあ作家の腕とか、演出の腕に安心しきってね。疑いはないわけだよ、 少なくとも俺、見てる最中スタッフがどうとか考えないから基本。 中でも25話のさ、マリエルが遠くの学校に行って、メモルがいろんな苦難の元に マリエルと涙涙の再会してさ、それは劇場用にブローアップされるぐらいに気合の入った話だったんだけど そのエピソードもさ、いずれ別れるだろうとわかっているけど、でも今は会いたいっていう、そのやりきれない美しさってのが、いいわけで。




で最終回ですよ。見る前の勝手な想像としてさ、涙の別れからの、大人になったマリエルのもとに再び現れる、とか そういうべたなオチとか期待してたのよ。少なくとも別れるのは当然なんだから。それをどう魅せてくれるかっていうところでさ。 俺の期待を超えてもっとすごいんじゃないかって。 そうしたらですよ、爽やかな別れとかじゃなくって、涙涙はいいんだが、メモルが去ってからマリエルは悪夢を見るんだよ。暗闇の嵐で。 で、朝。なんかメモルがいるんだよ。でいきなり、リルル星と軽く行き来できる技術発見したから別に帰らなくていいんだ、つって ナレーションがあなたの街にもメモルがいるかもしれませんよ、で終わり。

俺前ページにもあきれ返って書いてたけど、今改めて書いても、ひどいすね。 まずマリエルの成長だけどさ、マリエルとメモルの仲ってのは友達でもなく親友でもなく、のび太とドラえもんみたいな関係なんだよ。 親と子みたいな。もし親と子じゃなかったら、ともかく一心同体的な。血つながってるみたいな。 簡潔に言うと依存関係なんだよな。片方がいなくなったらどうしようもないみたいな。 でものび太はある種親離れしたわけじゃないすか。依存から抜け出したという。ドラえもんがいなくても頑張るぜっていうね。 でマリエル。メモルのおかげでもう一人で立てるぜって感じだと思ったら、実はメモルがいたから何事もなんとかなってたっていう つまり一人では何にもできないーー実質的になんも成長してなかったという悲しいオチがついてしまったわけだよ。 あの嵐というか悪夢とかさ、マリエルの今後にまったく希望もてないやつなんだよな。メモルがいなかったら悲観して生きてる望みがないみたいな。 また元の引きこもり美少女に逆戻りみたいな。なんだったのあのマリエルのサクセスストーリーはっていうね。

でメモルとの別れの部分。さんざん帰りたい帰りたい言わせてあのオチ。さんざん別れを予感させての、衝撃的な展開。 なんかね、メモルにそれまでに出ていた弱点が一気に帰結したって思ったんだよな。 それまでも、リュックマンの失恋とかマリエルの失恋とか、あれっみたいな話があったんだよ。 期待の裏切りみたいな。それを丁寧な流れじゃなくって、なんかこう、ただ驚かせてやろうみたいな。それだけの安易なノリを感じたんだよね。 そこからちょっと軽く不信感を持つようになったんだけど、まさか最終回にそれが来るとは。 前々から伏線というか予感を持たせてくれればよかったんだけどね。イデオンとかエヴァとか やりたい放題の中で、sfってのもあるんだろうが、大きく外れてはないしね。 アメリカンニューシネマとかも最後衝撃オチとかあるけど、映画の空気感がそれを許容してるから、合うわけ。 でもこういう衝撃オチは・・・まさかスタッフへの疑問でこの展開は合ってるな・・・と納得させられるとは。 それでも一話まるまる使ってくれればまだしもラスト5分前とかだしさ、もうありえんよ。打ち切りエンドみたいな。 しっかり50話やっといてさ。

例えだしたらさ、悪い屋敷に一人働くけなげな少女がいてさ、で、いつかそこから出たいと思ってるわけよ。 働く中で自分の味方になってくれる人とか、権力者が守ってくれたりとかして、俺らは少女がいかにこの悪い連中から突破していくのかってのを 楽しみに待ってるわけだろ。そうしたら最終回、よし、屋敷から出るぜって時に、終了5分前ですよ、屋敷の悪玉が急に改心して いつまでもいてくれ、みたいな。で少女も納得して屋敷にとどまりました、みたいな。意味わかんねえだろ?それと同じよ、茶番もいいとこ。

確信犯なのか、能力がないのか、単にびっくりさせたかっただけなのか、いろいろあるんだろうが しかし作品を通しての二大テーマを完全に粉砕した最終回は、最悪の最終回として歴史に残るんだろうなあ。 俺なんかdvdで一か月の間に見たから衝撃もそれほどだったけど、一年通してみたやつはもう失望やらあきれ返るやら 作品のことなんて忘れたいと思ったんじゃないかな。一言で茶番だもん。 考えてほしいんだよな、あれだけ高クオリティでオリジナリティあって雰囲気もよくて最高の作品がなぜ語られないのか。 最終回でテーマをぶっ殺して視聴者から総スカン食ったから、それが答えですよ。だから本当の最終回は49話とかさ。 ここまで落差のある作品ってこれだけじゃないかな。そういう悪い意味で歴史に名を残すのは嫌っすね。まあ49話までですよ。


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