私、歌うわ・・・思いっきり!
美少女とSFの核融合・・・超時空カルチャームービーの金字塔登場!
ミンメイ マクロスピード!!
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
1984年 石黒昇・河森正治 作
超時空要塞マクロス
もはや説明不要、1982年に誕生した
ヤングパワー溢れるSFロボットアイドルアニメの登場である。
以降の国産アニメーションの運命を決定付けてしまう程の新しさ(ヤングパワー)は
90年後半までの15年を貫通、まさしく日本アニメ界に多大な影響を残した。
「宇宙戦艦ヤマト」の仕事によりアニメファンにその名を知られ
アートランドを設立した監督マン「石黒昇」の下に集った才能溢れるヤングたち。
その筆頭・美樹本晴彦の繊細なタッチで描かれる癖のあるキャラクターデザイン
超作画で超密度と超スピードを発揮した板野一郎、平野俊貴・・・
ともかく新しいのである。その後のアニメーション路線を決定付けたのは
事実その絵のクオリティ、そして「メカと美少女」という斬新な組み合わせにある。
さらに昼ドラ真っ青のベタベタな恋愛描写。当時にしてはかなり攻めたドロドロ展開も斬新だった。
主人公のフワッとしたキャラクターも斬新、マックスというキャラクター全てが斬新。
戦艦の3人娘も、黒人の艦隊員も、個性豊かな隊員、兄貴ポジションのフォッカー。
今観ても斬新である、そういう革新的な空気は勿論若いスタッフによる。
キャストも新人とベテランで固められており
主人公、その部下。ヒロイン2人、戦艦3人娘、その声優は全員新人を起用。
そこからも新鮮味と怖いものなしの「お祭り感」が出てきた。
そして完璧とノスタルジーを徹した世界観を支えた功労者
一位二位に挙がるだろうハネケンの音楽も斬新、超クオリティである。
日曜日に放送されていたというが、その音楽と世界観が時間帯にピッタリである。
強烈な世界観をバックにシンプルなストーリー。
しかし作画は国産、外注とでクオリティがダンチで違っており
国産ならば10年先を往くウルトラスーパーを実現出来たのに対し
外注ならば10年前のチーピングアニメが誕生してしまうという
本当、全体的にお祭り感のある視聴者参加型のライブ感覚なニュー・アニメーションが出来たのである。
80年代を代表するロボットアニメは「イデオン」でも「Zガンダム」でもなく本作に間違いない。
90年代まではロボットアニメこそが
作画もストーリーも、音楽すらも他アニメを先導する役割を担ってきたが
70年代の「ヤマト」「ガンダム」によりアニメブームが誕生して以来
その元祖からの派生形・・・つまり教科書的でないロボット物初の先導者となったのが「マクロス」なのだ。
ヤマトも教科書、ガンダムも教科書だ。共にセピア色の古ぼけた。
しかしマクロスは永遠に古びない先導者として今もなお
その新鮮さを振りまきながら生き続けるに違いないのだ。
行っちゃったわね・・・引き止めなくて 良かったの
ええ、ミンメイって子は 僕なんかに繋ぎ止めて置けませんよ
そう・・・
それより 聞こえませんか、ミンメイの歌・・・
歌?
ええ 聞こえるわ 輝・・・
さて映画である。TVシリーズから2年後。
1984年というナウシカ、うる星と肩を並べるマクロスの3巨人・・・この贅沢。
ナウシカは作画と作家性、うる星にも作家性、そしてマクロスには作画へと
それぞれの期待をかけられていた訳だが
特にマクロスはTVシリーズから「何かやってくれそう」という若きアニメファンたちの期待と
それを請け負う若きアニメスタッフという相互のボルテージが沸きに沸いていたため
当然84年劇場版アニメへの期待は、マクロスが一番をとっていたのである。
TVシリーズの違いは、まず124分という尺で一条君とミンメイと美沙の恋愛と
プロトカルチャーたちとの交流、戦争・・・そして世界観。この3つを打ち出さなくてはならないため
一条君とフォッカーの過去のドラマは一切切り捨て
映画冒頭から一条は軍人(フォッカーは兄貴分のまま)。
フォッカーの部下として、マックスと柿崎と一条は同位である。
さらにミンメイは最初から歌手で有名なのである。
そして戦闘中に一条君はミンメイと出会って、閉じた世界での交流。
・・・そこから仲良くなり惑星デート。そこでゼントラーディーと交戦、捕まり、彼らの生態だのが分かって脱出。
助けに来たフォッカー、カムジンと相打ちで死亡。
ミンメイは無事に帰れたが、フォッカーと共に一条を迎えに来た美沙たちは
荒廃した地球でプロトカルチャーたちが求める「文化」を知り、さらに一条と美沙は愛しあう。
でマクロスに帰って、ゼントラーディーやメルトランディたちと共に
ボドルザーを滅ぼす最終決戦に向かうのだ!

フォッカーはTV版と同様、前半で出番を終える。
それと比例してクローディアの出番も少ない。(それぞれ印象的ではあるものの)
マクロス艦内の登場人物もほとんど影が薄い。よっちゃんもおっさんもいない。
挙句グローバル艦長も(TV同様)ほとんど存在感を見せず
事前、あれだけ雑誌にも特集されラジオ番組もやった3人娘たちに至っては
それぞれ台詞が2つか3つという具合。オイオイオイ・・・コレはおかしくねえか。


劇場版となって絵のタッチもクドいほど高密度な為
シャミーの顔も濃い濃いモノとなり、単純な美少女ではなくなったし。
まあ3人組の影が薄すぎる事が本作最大の欠点である。
(しかしTV版より時代と世界観を反映したファッションは素晴らしい!制服もコッチのが・・・ノーブル)
カムジン君もTV版じゃ2枚目で日本語しゃべってたのに
本作じゃただのエイリアン、しかもゼントラーディ語のみ。
存在感が抜群だったのは人気キャラ・マックスと柿崎クンだろう。
マックスはTVシリーズの天才感をさらに劇場版ナイズされ
髪色が真ブルーになり、ナス型のサングラスをつけるようになっては台詞の少なさは問題ではなかった。
冒頭から大暴れ、そして一条先輩に余裕を見せ
地球での「メルトランディ軍(ミリア)」との戦いで本編中一番の見所を見せ付ける。
TVシリーズでも彼らの初交戦は学生時代のアンノウや平野たちが気合を入れまくり
いろんな意味でベストバウトに入っていたのだが「愛〜」では劇伴のエキサイトもさる事ながら
細かいギミックの書き込み(超作画)に観客とスタッフが一体化したハイな超演出とで
まさしく「一番」なのである。
最後にはミリアに習って巨大化、最終決戦で共に戦い抜く。
TV版のようなカワイイ優しさはなく、フォッカー戦死後には隊長となって一条に嫌味を言ったり
敵の頭を砕き爛々としてるなど、いかにも「マッドな天才」キャラである。
そんな第3か4かの主人公だが何故かパンフには載ってない。柿崎は乗ってるのに。
柿崎はTVシリーズ同様、死に様に気合が入っており「イヒヒヒヒ、アー!」という
コックピット内から分かる惨死の瞬間は中々にショッキングかつ傑作である。
名場面(名物)と化してしまった死に様に公開当時館内は笑いに包まれたとか。
お調子者だがTV版とは違ってオッチョコチョイな部分はなく
ただのムードメーカーと化している。
一条とも同僚であるからタメ口。しかしそれがカワイイのだ。
映画
TV版
原作つきの映画化として「ナウシカ」「AKIRA」そして「マクロス」
これらが特に成功した3部作なのではないだろうか。
作画も音楽も、原作の世界観をさらに盛り上げ広げ
それにかかる物語の妙もそれぞれ見事である。ただの映画化ではない、看板としての誇りを感じる。
・・・という事なのだ。本作でデビューした、または注目された声優のほとんどは大御所になった。
ミンメイ役の 飯島真理

早瀬美沙役の 土井美加

マックス役の 速水奨
キム役の鶴ひろみ
カムジン役の 目黒裕一
本作は、大御所となった彼らや
その後10年を活躍した他の声優たちの原点とも言える作品であり
そして、死んだ「ハセー!」こと長谷有洋の燃えつきた青春としても永遠残っていくアニメである。
とーぜんだがマクロスシリーズはこれが最高、雰囲気・・・世界観の素晴らしさは誰しも認めるだろう。
ただただこの作品(TV版)とオーガスの日曜昼なムードは最高である。
ノスタルジーの権化その幾つかの内のひとつ。
すごく優しいんじゃないかと思います。
だから、目一杯優しめにやってみました。
優しすぎることが欠点だというくらいに思ってやりました。
暗いとか、優柔不断だとか言われましたけど(笑)
優しすぎることで、ハッキリ物を言えないようになってしまったんですよね。
言っちゃうと相手を傷つけちゃうから、だから言えないみたいな感じです。
(一条輝はどんな男の子ですか?という問いに対して 長谷有洋)
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