伝説巨人イデオン
              年    

イデオン

今では富野監督の代表作として名高く、広く話題にしてもマイナー扱いされなくなったロボットアニメである。 カルトであり愛であり、出演者いわく「地獄の黙示録」でもある本作。 地球人が思念体の塊であるイデオンを発掘、それに乗って悪のバックフランと戦うという筋。 それを全盛期富野が徹底的なクソリアルでもって、地球対バックフランの勝敗を全滅という形で終わらせる。 登場人物の動きがリアルっぽく、しかし青臭くない泥臭さ溢れる描写が見所。繊細でないダイナミズムが肝。 明るい髪色のキャラクターが戦争で疲労し壮絶な最期を遂げていく道程、そしてイデオンの宇宙規模を誇った設定は バルディオスと同様、今日に至って軽薄なサブカルチャー連中に発見され、見事に丁度いい自己顕示の道具として活躍している。 富野の立派な点は、繊細さやウジウジしたムードがなく、ダイナミックなテンションで最後まで推していくという 線の太さにある。だから運命の渦に巻き込まれていく等身大なキャラクターたちの悲劇には、勇ましさこそあれど哀れさはない。 悲惨さをそのまま悲惨に描いたのがエヴァなら、悲惨さに抗ったりするSCENEを勇ましく描いたのが富野全作の特徴なのである。 それに加えて「キザ」な演出。キザといっても、そこにダイナミックな味付けがあるから、恥ずかしくならず そのナルシズム溢れるパワーが心身を熱くさせるのである。 監督は60歳ぐらいまでが限界だという説がある。実際、宮崎駿も富野も「千と千尋」「ターンA」で全てを出し切って以降は 100%これだ!という自惚れが消えうせ、またはあっても脳と上手くリンクせず、微妙な作品しか生み出せなくなった。 齢をとるということは感受性が薄れ「生きよう!」という前のめりより「どう死ぬか・・・」という少し引いた姿勢になるということなのである。 富野の熱き台詞回しや演出、悲壮美、全滅の掟等は若いころにしか出来なかった「生」のセンスなのであって だから、そういう意味では、今の富野はただ死を待つだけの坊主であり、そして本作辺りの富野は間違いなく「前のめりにキザ」だった。 富野アニメの好きなところは、主要人物もあるし、演出もあるし、台詞もあるし、ムードもあるんだけど 何より脇役の活かし方がとっても上手いのである。脇役を上手く使い、一貫した世界観が生まれるのである。 スターウォーズでいうウェッジ・アンティリーズ系統、こういう生活観溢れるキャラは大事である。 つまりファトム・モエラ、マルス・ベント、ギャバリー・テクノの3人である。 この3人は声優自体が個性の塊であり、登場しても3、4回台詞を発するだけの出番ながら、妙に存在感溢れるのである。 ファトム・モエラは作中一番好きなキャラである。 ベント君。主役に混じって最初にイデオンを動かした、妙に存在感ある「地味」な男。 三橋の美声でもって脇役からサブキャラクターにまで存在感を上げていった軌跡。 テレビ版では3人中最も出番が多い。モエラの様な主役級の出番はないものの 確実に戦果と、作品の世界観を広げる効果を出す格好の存在としてテクノとともに大活躍。 モエラ、ギジェと同僚を亡くす男。最終回にも前半登場。テクノと違ってぞんざいさはない、丁寧に活躍した。 しかし劇場版では出番を大いに減らされ、なんと新規のバストアップ絵が一枚もない。遠目からの絵はあるけど。 死ぬ直前にカットイン的な出番を貰えただけで、死のシークエンスなぞは、初見では誰が死んだか分からないほど。 地味ながら出番多く、同僚を2人も死なせた男の運も尽きたか。ともかくマクロスの柿崎を思わせる「愛された」キャラクターだった。 テクノ。前半は印象的な出番が多かったが、15話で活躍して以降は急に出番が少なくなり 久々に出たと思ったら声が違っていたり(小野、島田)、特に活躍しなかったり・・・ サブングルの主役みたいにいい顔してるし、イイ声だし、いいキャラだし、でもぞんざい。最終回にも出ない。 それが劇場版では、息を吹き返したかのように印象的な出番を多く担当。 イデオンのパワー部を担当する男として画面を多い尽くす活躍。 最後まで戦い抜き、コスモたちとともに戦死する。ベントのエキスを吸った男。 イデオンの良さ。それは断絶感にある。それは神話。スピンオフもなにもなく、ただ一個の世界があり そこで青春(人間の業)が爆発し、世界が終焉するといった次第。 テレビ版は少々泥っ毛が凄まじく、だからオープニングの懐かしさったらない。エンディングも。 テレビ版に感じるのは懐かしさだけ。神話な。音楽もそんな感じ。断絶した神話、その古臭さ、そのセンチ。 その匂いを接触篇で再びスパークさせ、そして発動篇。 発動篇では絵がとってもキレイになったが、それでも1982年の作品。1980年生まれのイデオンは1982年に 全ての世界、キャラクターを巻き込んで閉幕した。以降イデオンはない。1982年に終わった世界。 説明するのがとっても難しいんですけど、あの世界が、あのキャラクターは、1982年に終わったということです。全てが。 この作品って富野の最高傑作とは言われてるんですけど、あり得ますね。 それだけキャラクターに自我がある。あの・・・イデオンに出てた声優って本作で全員死んだんじゃないですか。 そんな気がしますね。それだけイデオンは強烈だったんですね。以降こんな強烈に畳んだ作品ってないでしょう。 生き生きしすぎた懐かしい「1980年」。生き生きしすぎて超越した「1982年」。この両方が合わさってイデオンがある。 説明できましぇーん。でも私は分かるので・・・イ〜デオ〜ンってか(笑)イデオンって切ないんですね。 コスモの熱血なのか繊細なのか分からない、まさしく思春期キャラ。富野は思春期キャラを描くのが上手い。 冨野の起伏激しいキザ加減は思春期そのものだった。だから明るくも暗くも地に足着いている。 作品が暗くなるにつれてどんどん「固まっていく」。そんな発動篇の頼もしさは死のシークエンスで昇華した。 彼は一分一秒でも生きたかった。彼のアフロは最初こそ明るいが、徐々に存在感が消える。軽薄でもあり深刻でもある若者を象徴する。 カーシャ。すこぶるカワイイ。美少女。ガッチリした美少女。服もカワイイ。白石さんの美少女キャラでは代表作ですね。 あの髪型がイイ。なんか顔と性格から浮いた洒落っ気。ショートカットとかも見たかった。最期のシーンは名場面。 デク。声優が途中で変声期を迎えたため、真にリアルへ迫った熱演が聞ける。最初こそ素朴なキャラだったが イデオンに乗るようになって声が変わり、カスれ気味たダミ声によって戦いのシーンに異様な緊張感が。 発動篇での「死ぬかもしれないのに、何で食べてんだろ俺」はデクの精神的成長をあらわす、勇ましくも切ない場面。 戦いの中で何かを悟り、コスモをセーブし、ドバに訴えかけるなど第二の主人公とも言える活躍を魅せる。 最期は相棒のリスと共にガンドロワ掃射によって戦死した。 ベス。最初は軽い軍人だったがすぐさまクールで貫禄ある「指揮官」へと成長。 異星人カララと恋仲になり、バックフランとの共存を考える社会派でもある。 声の熱演もあり、20話以降は頼りがいしかない男としての存在感。最後まで戦い抜き、壮絶な最期を遂げる。 カララ。異星人。侍従と共に地球に遊びに来たバックフランの女王。そこでベスと出会い恋仲に。 地球侵略を目指すバックフランに反抗しソロシップ入り。しかし最初はスパイだと問題視。 それがシェリルとのビンタ応酬で落ち着き、以降はソロシップでの核メンバーとなって活躍する。 ベスとの子供が、無垢な生存本能を求めるイデに共鳴し、最後の戦いではそれにより救われること多し。 カララは途中姉ハルルによって射殺されるが子供は生きていた。ソロシップ消滅と共に子供は死に その子供・メシアは因果地平にいる死人たちの先導者となり、新たな惑星の海、陽となった。 シェリル。神経質な研究者。イデオンの謎を解くために様々な研究を行う。 ヒステリックな面が強調されており、そのためイデオン内での諍い多し。 途中バックフランのギジェと恋仲になるが、そんなギジェの死と妹の死が立て続けに起き、発狂。 最後は赤ん坊ルウを両手に宇宙へ飛び出し、あっけなく消滅。魂はギジェが運んでいった。 ギジェ・ザラル。バックフランの男前。カララの婚約者だったが、ベスに寝取られ しかしサムライの生き様を果たすため、ソロシップに特攻――行方不明に。 再び復活した際に見た、イデオンの凄まじいパワーに惚れ込みソロシップ入り。 クールかつ、情熱家の謙虚なイケメンとあっては頼りガイしかない味方に。 モエラ亡き後、イデオンのパイロットとなり、内部からイデオンの力を目の当たりにするたびに興奮。 「すごい!これこそイデの発現だ!」。妹を亡くしたシェリルの精神的支柱となっていたが 38話にて戦死。イデの惑星を真っ二つにするイデオンソードの輝きに感服しつつ、死んでいった。 そんな彼不在の39話、つまり最終回はかなり寂しい。ラストのあっけなさも込みで。発動篇ではエキスのみ登場。 ジョリバ。主役級のメカマン。地味なイメージだが主役級。とぼけた味を魅せる軽妙な男。 最終回ではカララと共にバックフラン総本部にテレポートし、そこで重傷を負って、後に死亡。 ハタリ。 リン
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