卑怯と呼ばれ続ける男
藤木茂
改作
昔は気弱な泣き虫といったイメージだけだった。小学生までは全くの笑いものにしていた。 しかし中学、高校と思春期を迎えていくにつれ『藤木サン』を笑えなくなった。 似ている。考え、悩み、結果 悪い方向に突き進む運の悪い優柔不断な少年。 コイツは俺だ!俺もこの通りだった! まる子ちゃんに出てくるキャラクターの中では 一番等身大の魅力的なナイス・ガイである。
藤木茂
卑怯で貧乏な夫婦の下に産まれる。 気が弱く、怒られたり失敗をして恥をかく時には泣き喚いたりする。 優柔不断。 頭は良くない。 唇がムラサキ。 身長が高い。 スケートが上手い。 ユーモアのセンスもある。 悟ったような顔。 運がない。 それでも生きてる男一匹。藤木茂9歳。
藤木茂の周囲事情
彼は環境で損をしている。あんな親子の下では卑屈になるしかない。 「こんな子になったのはお前のせいだ!」 という夫婦間のやりとりを幼少の頃より見つめ続けてきた。 そしてクラスメート。永沢やその他軍勢にぐちぐちと毎日嫌味を言われる男。 まるこ達にも、もはや「あいさつ代わり」で当たり前のよーに「卑怯だ」といわれる。 なるほど、彼のやった事は小学生の狭いコミュニティーから見ると「卑怯」と言われるものらしい。 ・肝試しでペアのまるこを置いてけぼり ・蜂が怖くて永沢を盾にする(コレに関しては擁護できない) ・カンニングしていないと嘘つく なるほど。
・・・ウーン 擁護するなら、藤木の行為は卑怯からではなく、臆病から、なのです。 想像力が常人より豊かだから「そこから逃げ出したい、助かりたい」という気持ちのみ。 上記の「卑怯とされる」例から彼を卑怯と言うのも間違いじゃないかもだけど ただ「怖がりだから」という理由をどういう意図からかすっとばして 以降ツマラン事でも卑怯と連呼するのは、やはりクラス中に悪意が蔓延しているからでしょう。 藤木を慮ることや彼の性格、行動原理を考えてやることもなく ただダメージを与え易い言葉を選び、攻撃する。 ある意味小学生らしい?無邪気な悪意なのである。 人間の本質はマウントを取ることだ。安全地帯から悪人を攻撃することだ。それが気持ちいい。 しかし小学3年生らしいメンタルの藤木。異常な怖がりなのも仕方ない年頃なのだ。 ほんのちょっと優柔不断だからといって糾弾するのはよろしくない。 小学生の時、藤木みたいなヤツを見たことがあるでしょ。 でもまるこのクラスメートの様に陰険に嫌味を言ったりしなかったでしょ。 彼はこの「さくらももこ」なクラスに存在した事が不幸だった。悪意が蔓延している。 笹山さんですら黒い面を露呈してしまう、とんでもない悪趣味アニメなのだ。 まさに現代社会で行われている様相そのもの。 レッテルを貼られては、少しの隙を晒しただけでグチグチと嫌味を言われるのである。 藤木を卑怯と罵る事で優越感を得ようとする、真に卑怯な連中に囲まれた男。 良く不登校にならないものですな。この強靭な精神力は買ってもいい。 基本的に彼は心優しい性格である。悩みが多いのも繊細な証拠。 ガマンしているだけかもしれないけどな。そーゆーところも等身大。イカした少年ですよ。 藤木の魅力がどんどん分かってきたよ。 藤木の周囲
藤木茂の魅力
彼にはとんでもない伸びしろがある まず身長である。クラス1の長身を誇る彼は、中学になっても比較的高い部類にいた。 大人になった時の身長は比較のしようもないが、170後半か180台にはのっているのではないか。 小学生の時には余り気にしないだろうが、思春期を迎えてから 多くの人間は自分の身体にコンプレックスを持ち始める。女子はともかく、男子が一番気にするのは「身長」では? 身長が高ければある程度のルックスならカバー出来る。 いくらハンサムでも身長があんまり低いと残念だ。 その点、藤木は身長という 男にとって一種のコンプレックスとなりうるモノを立派な武器にする事が出来るのだ。
その流れから言うと二番目にルックスだ。 藤木は皆からも、そして自分からも自分は顔が悪いと思い込んでいる。 確かに唇は青く、目は三角、眉も常に下っており 大野君たちと比べると可愛そうなぐらい。しかし、半分は違っている。 上の方で「彼は環境のせいで卑屈になり・・・」と書いてあるが、 それは全くその通りで、彼は自信がないから顔(表情)も常に死んでいる状態なのだ。 潜在的に言えば彼は勇気があり、思い切ったことも出来る人間である。 その時の彼の表情を見てみると分かる。 りりしい表情。 自分に自信が付いた瞬間の彼は「そこそこ」イケているのだ。 この藤木はどうか、まるこちゃんの世界観の基準でいくと悪くない。
こちらも(捻挫する話の作画がイイのです)
よく藤木は妄想で、笹山さんと極度に美化した自身とのラブラブぶりを視聴者に示しているが 実はこの「極度に美化」という部分は間違っている。 再び、この藤木をご覧いただきたい・
この顔は相当整っている。なるほど、端整といっても良いでしょう。 顔のパーツは全て、いつもの藤木の表情から作り出せるのだ。 そう!普段の藤木もこんな風に笑ったら これくらいのかっこいい表情(ニヒル)がいとも簡単に出てくるのだ。 決して「美化」などではないのですよ。 しかもこのルックスで身長が高い。もはや言うことなしっ。 少なくともサブカル受けする容姿なんですね。 第三、これも身長に関連する事だが「服の着こなし」である。 これについては、もはや伸びしろではなく既に出来ている事なんだけど コートでもパンクでも、そのすらっとした長身にヒジョーによく似合っている。 スケートウェアもカッコイイ。スーツなども似合うでしょう。間違いない。
藤木はモデル体型。 第四。スケート。 このルックスでジャンプ、スピンまで出来る才能。買っていい。魅せ方もうまい。 運動オンチとさえ言われる彼だが、以外に運動神経はイイワケだ。 長身フツメンスケート上手い。これは勝ちだな。 自信の無さから、普段の彼は影の存在とならざるを得ない。 もし優しさに包まれたクラスメートの下で青春を送れたならば、彼は完全に開花する。
入江小学校3年4組の面々が彼の魅力に気付くのはいつの日だ。
藤木茂の格好良さ
この世界のキャラクターはみんな2頭身とかそんなのばっかりだけども 藤木は身長が高いから一際イカしてて、存在感がある。 顔も大きいから鼻の形はリアル、でもって 表情全体で遊びが多く見受けられ、中々に整った表情もある。 リアルな格好良さで言えば聖人・大野君よりよっぽどイカしている。 こちらの藤木の顔は悪くない。好青年ですね。
この藤木はかなり格好良い。 服装もあいまって、表情自体が活かされ、ともかくイイのだ。
こちらも。眉毛と、横一文字に締まった唇が良かった。 やっぱり藤木って顔の素材からイイんだよナ。
捻挫の話は藤木が異常に格好良かった。驚き顔だが、妙に整っている。
どうだろうか、結構イケてないか。 他の3人がおかしなツラしてるからなのか。いや、それでも藤木の顔整ってないか。
ハマジの女版みたいなヤツを助ける紳士・藤木。 穏やかなフェイス、さらに背が高いとなれば・・・イケる!
笹山さんをいたぶる永沢に牙を向いた藤木。 普段の横顔はがっかりものだが、この顔は全体的格好いい。
優しい笑顔。藤木って臆病なのが治ればモテるハズなんだよ。 そういう部分を見せなければ。それこそ「堀こずえ」みたいに 美少女からも、フツーに好意を寄せられる例は多いのだ。 本当藤木は環境で殺されてますね。
顔を小さく、足を長くした藤木。コイツは一級品にモデルガイ。
藤木の家はよく描写される。 そして藤木が窓を開け夜空を見上げる場面も多い。星が輝く。
なんか、藤木は主人公ポジションな男なのである。 こういう場面が用意されるってさ。意外にモテるし。 ハイ。藤木は格好良いです。
藤木茂の利点
メタ的な話でもあるが、藤木が出て来ると言うだけで 特定の視聴者にもうれしい美少女キャラが出てくるのもいい。 藤木の話って、藤木の卑怯ぶりを露呈する話がほとんどなんだけど 半分は永沢関連。そして半分が女の子関連なんだな。女の子に過度に期待する惚れっぽい少年なので。 で、藤木のエピソードは笹山さんと2セットである事が多い。 そして藤木の妄想により顔を赤らめる笹山さんの姿が見れたりする。 そんな笹山さんといえばこれまた城ヶ崎さんである。 藤木といえば永沢でもあるし、また永沢といえば城ヶ崎でもある。 藤木主役回というだけでこのメンツの物語が楽しめる。 しかも藤木回はダーティーでアダルトな小学生とは思えない雰囲気で構成されているので 飽きないし、何度でも雰囲気を飲めるのだ。 以外とメイン層たる小学生にはその魅力が伝わらないのでは。 ムーミンのスナフキン回を退屈だと感じる子供が、いざ大人になってみると 彼の存在の深さにシンパシーを感じるっていう風? 下心 失敗 上手くいく 絶望 といった起承転結の流れが基本であり、「うわぁ藤木かわいそうだなぁ〜!」なオチがおもしろい。 というか藤木回は基本おもしろい。 95年から2005年までの10年間(黄金期)。 まだ国民的アニメーションになってなかった頃の頃のまるこは縦横無尽だった。 キチンと「ももこテイスト」な毒をもった作品群が多かった。 今では作品の幼稚化が進んでいるので、以前にあった雰囲気アニメとしては期待が出来ない。 仮に藤木回であっても1エピソード10分間では、その魅力を伝え切れないんじゃないでしょうか。 脚本のレベルも年々下ってきているので、つまらない。 「だからなに?」という話も多いように思えますね。 全盛期と同じホン屋がやっていてもセンスの劣化が分かる。 ネタのストックもなさそうだし、惰性で続けていると感じられる。 それもこれも国民的アニメになってしまったから。 家族全員で観れる安心な教育アニメーション化してしまったからなのですよ。 でもね、黄金期は素晴らしかったのですよ! 独特の間や、音楽、台詞回し、作画。特に90年代セル画時代は一級品だった。 撮影・・・フィルム「アナログ」こそがまる子か? 「交通教室」の冒頭、藤木永沢山田とが歩く場面。全く映画的な雰囲気である。(分かる?) 全盛期まる子の演出は異様に緊張感あって楽しめる。交通教室冒頭はそういう感覚を端的に表している。多分。 そして、その雰囲気アニメとしての利点を最大限生かせるのが「藤木」であったのだ(と思います)。 さくら先生が「永沢君」なる番外編漫画を出版したのは有名だが まるこちゃんの中でも、永沢と藤木のツートップを主役に選んだのは やはり自身の持つテーマと一貫して入れ込み易く演出し易かったからに他ならない。 テーマ・・・毒。バカにする。鼻で笑う。男ってバカ。女もバカ。 アニメスタッフ間でも藤木は人気があったのでは。 キャラ的なおもしろみもあるし、とにかく等身大・リアルであり 「俺昔、藤木みたいなヤツだったんだよなぁ」と まさに自身の過去を代弁するかのような、優れたリアルな話が多く生まれたのも 藤木と自身を重ね合わせた結果ではないか。自身のトラウマを藤木に語らせたのだ! 藤木主演作は異質である。テーマソングは2つも作られた。作画も思い切った事をするし。演出も凄い。
中には感動的なエピソードも存在する。笹山さんとの恋を応援するかの如く 「今年の反省」は他の追随を許さない強烈なラブアンドピースがある。