《かまきり前戯録》「中尾さんとは奇妙な偶然が重なるの。私が彼と隠密旅行にいったとき、中尾さんも彼女とコッソリ旅行でバッタリ会うとか.....そのプレーぶりが凄い評判よ」
五月みどりかまきり対談ゲスト/中尾彬・33歳
『時刻表の異名をとるほど女にはマメです』
吉永小百合から大谷直子真帆しぶきと“艶聞”をふりまくプレーボーイ氏の“女性哲学
今回のゲスト・中尾彬はかまきりみどりのたってのご指名。艶関の相手を書きつらねれば、そのままスター名鑑ができるほど(?)の天下の二目さんを迎えるかまきり、気を鎮めんとブラ・ロックを飲むことしきり。サァ、ご対面!場所は六本木の『瀬里奈』で......。
五月 私、いまドキドキしてんのよ。私のご指名がやっとかなったんだもの(笑い)。
中尾 悪いこと聞こうと思って・・・・・(笑い)。フフフ、まぁいろいろと
五月 ・・・・・・・何をお飲みになる?
中尾 日本酒にしてください。変な注文するようだけど、熱燗にして、それをロックにしたいんですよ。
五月 ヘェーッ!変な注文なのね。ところで中尾さんに最初お会いしたのは......。
中尾 「三時で会いましょう』のスタジオだった。
五月 そう、そう。私と競争みたいに週刊誌に...............(笑い)。ページを開くと私の前とか、あと......私も自然に中尾さんの記事を読む。中尾さんも私のを読んだんじゃないですか。
中尾 エエだから五月さんに会ったとき「お互いによく出ますねェ」(笑い)。「こんにちは」も「お早ようございます」もな
五月 お互いによく出ましたからねェ(笑い)。それであなたのことは雑誌ですごく読んでたので、私は離婚したり、されたり......の問題のときはたいてい女の味方なの。ところが、中尾さんの場合は憎めないというか、悪い男じゃないと思った。
中尾 でもかなり僕は悪者に書かれていた(笑い)。
五月 ウン、それでいて、わりと実際に悪いものは悪いと認めてたみたいよ。「いいんだよ、オレは悪くなってりゃ」みたいな......
中尾 開き直り?
五月 一それとも違っていたわ。ま、そのへん、とても印象がよかったということで、きょうは女性にもてる話
中尾 いや、全然ダメです。
五月 いやいや、ご謙遜。数も相当いってると巷の噂では・・・・・・。
中尾 いえ、あのね・・・・・・。
五月 さしもの弘樹ちゃん(松方)も横を向いたとか。
中尾 いやー、松方さんはすごいでしょう。僕は松方さんのほうが純粋だと思うんです。
五月 純粋?
中尾 ウン、割り切れるから。
五月 それは数?いや数とかじゃなく。
五月 でも数でも負けないんでしょう?
中尾 (ひときわ大声で)トンデモナイ。僕はいままで女性は十人もいませんよ。
五月 じゃ、買うことはできない?
中尾 できない。
五月 そのへん弘樹ちゃんと違うところね。
中尾 そうできたら一番いいと思うけどね。
五月 そうでしょうね。
中尾 それだったら、別に離婚する必要ないんだか
五月 なるほど。
中尾 でしょう?だから僕は割り切れないんだな。僕は松方さんのようなタイプは羨ましいと思う。
五月 遊びができないのね。
中尾 そうですね。
五月 じゃ、中尾 さんのほうこそ純粋なのよ。
中尾 いやいや。松方さんのほうが純粋なんですよ。そこが羨ましい。
五月 ちっともわからない(笑い)、中尾さんのお話って、熱燗にして、もう一ロックにして冷やして飲むみたいなところがあるわよ(笑い)。
中尾 素直じゃないのかな。
五月 それとも違うのね。ともかく面白い方よ(笑い)。
中尾 どうもありがとう。
五月 中尾さんいままで女を口説いたことはないでしょう?
中尾 ないですね。「今晩どう?」なんていったことは一度もない。
五月 そこがもてるってことなのよ。女からいわせれば・・・・・・。
中尾 いやー、全然もてない。
五月 いいの、あなたは熱燗を冷やす人なんだから(笑い)。 中尾彬氏のプロフィール/昭和17年8月11日、千葉県生まれ。武蔵野芸大中退後、日活か劇団「民芸」に入り、テレどを中心に二枚目役で活躍。代表作は『新平家物語』『大いなる旅路』など。昨年離婚話題となった。いま、日生劇場で2月4日から公演される『マクベス』のマクダフ役に取り組んでいる。
スターでないと惚れられぬ
五月 そろそろお話を核心に入らせていただきまして・・・・・・(笑い)。
中尾 いろいろ書かれましたけど、僕が好きになる人は絶対にスターじゃなくては嫌なの。
五月 ホウ・.....?
中尾 いってみれば、花が開いてる感じの人ね......。たとえば、吉永小百合さんね。あの人は僕日活と映画の契約をしていたときに、彼女が宣伝部の前庭の塀をまたいで入ってきたのをみたときは、正直いって目が眩む思いがしたなァ。
五月 ホーウ。
中尾 輝いてみえる。うしろに光の輪があってねェ......。
五月 後光がさしてたのね。
中尾 エエ、ウン、だから僕の好きになる人って全部そうですね。そう見えちゃう人。
五月 そんな小百合さんと何かあっても自然だって感じね。
中尾 いや、僕はそのとき結婚してましたからね。まァ、吉永小百合さんからは血染めのラブレターをもらったとか、いろいろありましたけどね。
五月 吉永さんが中尾さんにゾッコンだった時期があったことは事実なのね。
中尾 そのころ、僕は生意気にも新劇というものをやっていましたし、彼女も噂のあった浜田光夫では物足りないものがあったんですよ。彼女の求めていたものは要するに加藤剛であり、山本圭でなきゃいけない。
五月 ウーン、映画の人にはない新劇の人たちのインテリジェンスみたいなもの?
中尾 ウーン、まっ、そういっコンプレックスというんですかねェ。
五月 ワァーッ、私も教養がないからインテリさんには弱いのよぉ(笑い)。
中尾 たとえば日活の中でのブログラム・ピクチャーとして一か月に四本撮んなきゃいけないというと、必ず相手役は浜田ということになってきますね。ジレンマにおちいってくるでしょう、女優として......。
五月 サァ?
中尾 当然そうだと思うんですよ。何やったって『愛と死の記録』やったって『愛と死を見つめて』をやったって、見つめるのは全部浜田であるわけですからね。そりゃ僕だって欲求不満になりますよ。吉永君の立場になれば.......
五月 そういうものかなァ。
中尾 そうなの。そういうとき、たまたま新劇の連中なりが、賛助出演なり、応援出演なりをすると、違った方向から芝居に入って行くわけですよね。一つの解釈なり、こういっちゃなんだけど違うわけ。
五月 その新劇から乗りこんできたのが中尾さんだったというわけね。
中尾 だから、これいっちゃうとまずいかな?岡田太郎氏の場合もそうだと思うんだな。
五月 ウーン、そうかもしれない。人間ってやっぱり違うものに魅かれるものね。
中尾 だと思うんです。僕はあくまでも芝居を中心にいうんだけど、違うところからボーンとやって足をすくうみたいな演出をされた場合、絶対にイクって女性は......。
五月 (笑いながら)中尾さんはその名演出家なのよね。私だってイキそう(笑い)。
中尾 ウン、わかるでしょう。そういうこと。アレッと最初は女性は思う。アレッと思うことは絶対にひっかかっているの。ひっかかっているという意味は意識がひっかかってるという意味ですよ。
五月 アレッ(笑い)と思ったから私ももうひっかかったみたいよ(笑い)。
中尾 だから、やっぱりスターといわれる人はなんかあるはずですよね。
五月 ウンウン。
中尾 そうすると、僕はその人が振り向いてくれればいいわけですよ。
五月 あえて口説かなくてもアレッと振り向けば、もうひっかかっている(笑い)。
男のつらさをわかってほしいなァ
五月 しかし中尾さんのお相手は女優さんが多いですよね。
中尾 エエ、というのは僕の場合は二十四時間のうち、遊ぶというのは二時間くらいでしょう。そうすると一緒に仕事をする人が好きになりますね。だって女房といる時間より多いんだから........
五月 私の場合はなかなか好きになるような相手に恵まれなくて......(笑い)。
中尾 僕は仕事をするときは、全身全霊を打ちこみますからね「よろしくお願いします」「初めまして」いきなりキスから始まる(笑い)。
五月 で、お互いに好きだと思い込むわけね。
中尾 いや思いこむことはひとつの錯覚でしょう。錯覚を通こさないと......。
五月 ということは完全に恋愛する.......
中尾 そういう意味でもないんだなァ。つまりこの人はオレがいないと絶対に芝居ができないと思えばいいんですよ。ほかの男じゃダメなんだと......。
五月 なるほど。つまり自信だわね、男の......。
中尾 たとえば、大谷直子の場合なんて男はかばってやりたくなるんですよ。欠点だらけだから......(笑い)。
五月 そう、じゃ、私みたいじゃない(笑い)。
中尾 男というものは腹立ててみたり「何やってんだ、バカもの」といってみたいような.........。そんなもんだねェ。
五月 直子ちゃんは中尾さんが最初の男性なんですって?
中尾 僕が!!!そんなこと気にしないほうだから...・・・・・どうかな・・・・・・でも彼女はそういってました?
五月 いってた、いってた。初めてのとき「処女喪失の日を憶えておけ」といったとか......。
中尾 なに?あれ僕も読みましたけど、僕のこと?
五月 そうですよ。それ聞いてニクイこという男だと感心したもの。
中尾 だけど、彼女もいい女優になりましたねェ。
五月 そうですねェ。
中尾 藤田弓子の場合はねェ、あるパーティで彼女と一緒になった。
五月 彼女との出逢い?
中尾 いやー、別れの原因なんだな。
彼女とバッタリ一緒になったとき、中尾彬のうしろには女房がひかえていた......。
五月 彼女はそれで「中尾さんに幻滅を感じた」と雑誌でいってましたねぇ、たしか......。
中尾 女房をつれていったからいいんだよ。そこんとこがわかんないかな。
五月 私だってわかんないですよ。愛する人が、目の前で奥さんを連れてこられたら、女はつらいわよ。
中尾 つれて行くとか行かないとかは無関係だと思うの。そのときは男のほうがよっぽどつらいんだよ。
五月 男はつらいよ(笑い)。だって女の人だってもっとつらいわよ。
中尾 いや、そんなとき「オレは今、精神的に磔になってるんだよ」と口には出さないけど「その痛みはお前も感じるだろう」と......それくらいわかってくれなくっちゃ......。
五月 裏の裏まで読まなくちゃならないのね。中尾さんの恋人になるの大変だァ(笑い)。
中尾 男はそこまで説明したら価値がなくなるしね。
五月 真帆しぶきさんとはどうして結婚しないの。
中尾 結婚という形式自体に僕はそれほど価値を認めないし・・・
五月 真帆さんとはそのまま継続しているわけね。
中尾 ............。
五月 私は女だからすぐ結婚したくなるけど......。
中尾 でしょうね。僕も一目見たいと思うことありますよ。
五月 花嫁姿を?
中尾 ウン、偉そうなことをいってもね。
五月 それが正直な気持ちだと思うわよ。
中尾 いや、でも花嫁姿をみるのアレルギー起こして・・・...(笑い)。
最初は天下の二枚目を前にイタセクスアリスにどう迫るか、気にやんでいたが、案ずるより産むがやすし...中尾氏はすすんで話してくれた。大分気が楽になってブラ・ロックのビッチがあがる。サテ、最終ラウンドは天下の二枚目モテ方のテクニックを伝受してもらおう。
女を愛するにも努力が肝心
五月 中尾さんて本当に女にもてるのねェ。男として最高の楽しみよ。
中尾 楽しみじゃないですよ。必死ですよ。
五月 でも一人の女性に惚れこんだときの中尾さんて素晴らしいと思うわ。
中尾 執念深いほうですね。
五月 男のそういう必死のしつこさは素敵よ。
中尾 たとえばガチャッとドアあけたら、そこに立ってるという位置にいたいわけ。
五月 女性が?
中尾 いやいや、僕が・
五月 自分で?