葦プロやムサシも参加!!班体制は全体に乱れがち


作画班体制は、「魔法のスターマジカルエミ」からのスライド。ただし、前作に比べてローテーションは安定せず、しばしば飛び入り参加のスタジオが登場した。その一つは葦プロで、3話と7話をグロス受注している。かつて「ミンキーモモ」のメイン作監であった上條修や飯村一夫、「超獣機神ダンクーガ」などで有名な若手実力派の羽原信義、大張正己らがそろって作監や原画を担当しているのが大変面白い。もうーつはスタジオムサシ。「六四三の剣」を中途で抜けての参加であった。また、2話のみアートランドとスタジオ雲雀が共同で原画を担当している。
社内班に関しては、従来の作画に加えて「コンポラキッド」を終えた下田正美が新たにローテーションに入り、代わりに岸義之と高岡希はほとんど作監を務めることがなかった。
亜細亜堂班は、「エミ」の終盤に復帰した望月智充が再び「光の伝説」参加のためにローテーションを抜けた。絵コンテ、演出は、「エミ」でぴえろ社内班を担当していた本郷満が務めることとなった。
アニメアールは今回、15話のみの担当。原画の柳沢まさひでは作監に昇格した。若手のホープ、毛利和昭も原画で参加している。
美術班は「エミ」からそのままスライド。



MAGICALCHECK(スタッフ編〕


花の国の妖精界から、人間の住むフラワータウンへとやって来た2匹の妖精、かき丸とケシ丸。彼らは、花を大切にしていた少女・花園ユーミに感謝の意をこめて、描いた絵が実体化するという魔法のステッキとペンダントをプレゼントする。
感動のラストを迎えた前作「魔法のスタ「マジカルエミ」の後を受けて、シリーズ第4作「魔法のアイドルパステルユーミ」は放映開始された。だが、丹念な日常描写に支えられた人間ドラマを期待していた我々は、突然空を飛び交うハンググライダーのシーンで始まった第一話にいささか驚かされた。日本でも外国でもない不思議な街・フラワータウンをはじめ、花アレルギーの袋小路夫人、執事の国光、果ては空の暴走族まで登場してしまう異様な世界設定。しかも、主人公のユーミは変身さえしないのである。しかし、それは「エミ」とは全く違う魅力をもった作品だった・・・・・・。



KEYPOINT変身しない少女・ユーミの物語は、魔女っ子アニメの原点に立ち還った作品だった

「魔法のスターマジカルエミ」の最終話で、魔法を自分から返してしまう主人公の姿を描いたスタッフたちにとって、この「魔法のアイドルパステルユーミ」という作品の意味は何だったのだろう。
“変身”という魔法を通じて、少女がもう一つの自分と出会い、もう一つの世界を垣間見ていく物語それが「マミ」から「エミ」までのストーリーの基幹であったとすれば、「パステルユーミ」は、魔法を与えられた少女が体験する、ひと時の夢の物語だとは言えないだろうか。少女の成長にからめて魔法が存在するのではなく、魔法のもつ楽しさ、面白さそのものが中心に描かれていく世界シリーズ4作品中で、ユーミのみが変身しない(そして成長しない)魔女っ子であることもその点と関係があるように思える。「マミ」に始まるぴえろ"魔女っ子路線は、「ユーミ」に至って、再び魔法物の原点に立ち還ってきたのだ。
毎回、個性豊かなキャラクターたちが繰げる事件の数々は、「エミ」までの日常描写のリアリティーに比べるとはるかに荒唐無稽なものが多く、その分ファンの受けが悪かったきらいもあるが、そのナンセンスさの暴走が逆に笑いを誘った10話や、ユミの心の揺れをきめ細かな演出で綴った19話、菊池通隆の作画が冴えた20話など記憶に残る名作も決して少なくない。むしろ無国籍性、虚構性を大切にしていたともいえる鴫野彰演出が、「エミ」とは異なる世界を立派に作り上げていたといえるのだ。

戻る inserted by FC2 system