今年の新東宝映画では「叛乱」が未だに最高の稼ぎ高を示し、再映々々で盛んに動いているが、この映画に安藤大尉の役で、沈着誠実な人柄を見せた細川俊夫が、これで又注目されて来た。それも尤もな話で、一時映画界を引退していたから、忘れられていたのも無理はないが、実は松竹大船スタジオで、佐野周二や佐分利信等と二枚目として活躍していたことがある。本名は細川常憲、大正五年の赤坂表町生れで、暁星中学から慶応仏文科へ入った坊ちゃん育ち。松竹へ入ったのは昭和十四年で「あこがれ」が初出演。
  はじめは痩せぎすの、眼尻の下つた、一寸歌手の近江俊郎に似た風貌だったが、芝居は下手ではなかった。なお先頃、競歩でチォンピオンの賞を得たようであるが、演技の方も近い将来そうあって貰いたいものである。 戻る inserted by FC2 system