ガンダムに参加されたきっかけは?
オーディションです。生まれて初めてのオーディションだったんですよ。実は元気いっぱいで演じて、その場でいきなり「シャクティはおとなしい子なんで」というダメ出しをされてしまったんです。だから、決まったときはビックリしましたね。何か間違えたんじゃないのか、と(笑)。じゃあ、アフレコも初めてだったんですか。
そうです。初めての声のお仕事でした。アフレコが始まってからはいかがでしたか?
もう右も左もわからなくて大変でした。しかも、最初のアフレコで、予告を録りましょう、と言われたんですよ。そのときに「視聴率がないと終了しちゃうから、『見てください』と見ている人たちに訴えるように喋って」って言わされたんですよね(笑)。あの予告は話題になりましたね。
いまだにいろんな方に言われます(笑)。その時点では最後までやらせていただけるか決まっていなかったので、とりあえず予告を最後までやらせていただけてよかったです。シャクティを演じてみて、いかがでしたか?
難しかったですね。特に戦場の場面になると、スタジオのみなさん、すごくテンションが上がるんですよ。でも、シャクティはそれとは離れた場所にいるんですよね。だから、「戦争には入らないように」という指示はよく出されましたね。一度は「行きます!」みたいなことをやってみたかったんですけど(笑)。途中からは、「ガンダムは来るけど、ウッソはいない」みたいな感じる”芝居があってそれがまた難しかったです。いちはらさんから見て、シャクティってどんな子なんでしょう。ちょっと変わってませんか。
自分では、あまりそうは思わなかったですね。むしろ、ものすごく考える子だな、と。口に出す前にハートで考えてからじゃないと口に出せないんじゃないかな。だから、最初周囲と馴染めなかったんでしょうね。あ、穴掘ってるときは変わってるってちょっと思いましたけど(笑)。特に印象に残っているお話はありますか。
そうですね、やっぱり第11話の穴掘りのシーンはインバクトがありました。あと後半の、第44話「愛は光の果てに」のときなんですけど、翌週のアフレコスタジオで、富野監督から、「シャクティの頑張っているところが出ていたよ。放映を必ず見てね」って言われたんですよ。それが嬉しくて印象に残ってます。富野監督って、褒めるのうまいんですよね。じゃあ、アフレコスタジオで印象的なことは?
藤城裕士さんや加藤治さんは世代的に戦争体験がおありで、アフレコのときに、生きるか死ぬかの場面だから、もっと緊迫感を持って、というようなことを、みんなに話してくださったんですよ。それがすごく勉強になりましたね。“戦っている感じ”ではなくて、本当に戦っているというのはどんなだろうかって、考えさせられました。口を合わせるのではなくて、気持ちを合わせていかなければいけないんだって。そういう意味では、役作りも舞台に近い感じでしたね。いちはらさんにとって、「Vガンダム」とはどういう作品だったんでしょうか?
私にとって、初心に帰れる場所ですね。だから、変な話なんですけど、別の作品のオーディションをいただいたときに、ちょっと見返すことがあるんですよ。そうするとすごく気持ちが引き締まるんです。おおっ、それは素晴らしい。
この仕事を始めて、まだ双葉の苗だったときに、Vガンダム」に出会って、芽を伸ばさせていただいて、そうして今の私があるのかな、と。だから、名前を変えるときにもすごく悩みましたね。結婚して子どもが生まれて、子どもにもわかるようにと考えて、名前をひらがな書きにしたでも、やっぱり、「ガンダム」あっての黒田由美なんです。あり、イコールいちはらゆみなんだ、と思ってます。それだけ大事な作品なので、早く劇場作品にしてほしいですね。なんで、映画にならないんでしょうか(笑)。戻る