今や押井氏の手を離れて、劇場での公開を待つだけとなった「うる星やつら」。ホッと一息の押井氏に完成の弁を聞いてみた。「スタッフの連中からクラい作品だとよく言われたので、ちょっと気になってましたが、出来上がってみて、何がクラいんだ。明るい作品じゃないかって思いましたヨ!!!
今回の作品は、絵コンテから描いていったので、当初の発想がそのまま表現でき、結構満足しています。前半はサクラと先生、後半はあたると夢邪鬼にポイントをあわせたストーリー展開です。僕は、まずあるキャラに言わせたいセリフを考え、次の日に、そのセリフが生きるように絵コンテを描く・・・・・・という作業パターンなんですが、過去3年近くもつきあってきた『うる星やつら』のキャラたちの中でも、サクラ、先生、あたるに焦点をしぼりきったことが成功しているんじゃないかと思うんです。
そして唯一人のゲストキャラ、夢邪鬼をいつもの顔ぶれの中に混ぜることによって、新鮮な影響力をたがいが持ってくれれば・・・・・・と計ったわけです。僕は、東京生まれの東京育ちで、大阪弁は身についていませんが、セリフで考えていた時よりも、藤岡氏の生きた存在感のある大阪弁には、もう、圧倒されましたね。関西のオッさん"というイメージそのものでした。
また、友引町を支えているカメについてよく質問されますが、作品の中にも出てく浦島太郎のお話から、コンテの時に絵的にもイケるんじゃないかと思いつきました。
TVシリーズでも、3月放映分までで僕の演出は終わります。現時点でやりたいことは全部出しきれて大満足ですね。」と語る。
作画監督の作業はパート別に行われた。A・Bパートをやまざきかずお氏。Cパートを森山ゆうじ氏が担当した。Bパートはメガネたちのコンビニエンスストアのシーンから。Cパートは、あたるの母親が大チャーハンを作っていてしのぶに声をかけるが、そこにはラムしかいないというシーンからだ。A・Bパートの作画監督・やまざきかずお氏は、「この作品は、押井氏のコンテスもとに作業に入ったので、押井氏の世界が、場面場面にとどこおりなく現れています。僕は作監として、原画マンが“華”の部分をうまぐ生かすように気をつけたつもりです。僕が描いたシーンで気に入っているのは、あたるの家での食事シーンですね。これは5秒あるんですが、各キャラをすべて個々に動かしたため2コマ撮りで動画枚数1200枚というこりようでした。ラフ原画だけで一週間かかりましたが楽しかったですね。
TVシリーズの方では、押井氏の後をうけて4月からCDを担当します。こちらもよろしく!!!!」と語った。
さて、やまざき氏のBパートの後をパートの作画監督森山氏は、「僕の受け持ったパートのヤマ場としては。ラストの夢とあたるの対決シーンがあげられると思います。各々のバートを描いてくれた原画マンの人たち。中でもハーレムで美女がはべっているシーンを全部さらっていった福島氏。しのぶが石像となって現れたシーンをとった桜井氏ハリヤーが宇宙へと飛び立つあるシーンの板野氏...など。みんなが自分の好きな部分を満足させてやってくれたんじゃないかと思っています。全体的に、押井氏の構想がきれいにまとまった作品だという気がします。
TVシリーズの中では、竜之介の母が出てくるテンの母が登場した回が、印象深く残っています。特にテンの母は、原作を読んだ時から絶対やりたいと思っていたので、まかされた時はうれしかったですね。次は「消えないルージュマジック」が回ってこないかと狙っています」と語る。戻る