北海道でやるコンサートは、やっぱりいいよな。苦手な飛行機に乗らなくてすむ。ほとんど車で動けるから。すいてる道をバンバンぶっ飛ばしてると、生きてるって感じがするべ。飛行機に2時間乗ってるより、車で6時間のほうがズっといい。とくに函館。この街は最高!思い出がいっぱいつまってる。53年8月に、俺の大恩人、STVラジオの竹田ディレクターが亡くなった。その日のステージがこの街。俺、歌いながらポロポロ泣いたよ。みんなも泣いてくれた。ひとり歩きを始めた日だな。
53年1月に”夢の大ホールめぐり”を始めてすぐに客がムチャクチャのってくれて自信がついたのもここだった・・・。だから街に近づいて函館山がボコッと見えると、胸に熱いものがこみあげてくるわけ。今回もそうだった。もっとも途中のドライブインでイカめしとカニめしとラーメンをいっぺんに食ったから、多少胸ヤケだったかもしれないけど・・・。転機には必ずこの街に来る。不思議なんだよな。
いま、俺はまたその転機をむかえてるような気がする。レコードが自分でも信じられないくらい売れちまって。”スター”になったしな。恐いことだと思うよ、これ。ヘタすると自分を見失う。俺のベースはやっぱりコンサート。ナマの歌をじっくり聴いてもらって、その土地のファンとじかに接して、握手ひとつするだけで心が通じ合うことって、あるもんだし、コンサートのときだとスッと手が出る。そんなときって、北海道みたいにスケールが大きくなったような気がする。こんなこと考えるって、この街はやっぱり不思議だな...。戻る