私が非行に走ったのは中学三年からです。友人と毎晩、万引きやカツアゲをした。停車中の車のフロントガラスや店のショウインドーに大きな石を投げ込んで割っては逃げた。快感で自分が生きていることを示し、社会の一部を壊した達成感爽快感がありました。
  都内の有名進学中学に在学していました。警官に何回も職務質問されたが、学校名を言うと、不審がられませんでした。
  非常なフラストレーションの発散でした。学校は偏差値重視で、暗記、詰め込みだけ。無意味と思いました。その無意味さがものすごいストレスになりました。競争が激しくて、周りは皆敵だと親や教師がいうので、友人もできなかった。空手をやっていたが、ストレスを発散できず、人生の目標もありませんでした。
  高校二年の時、登校拒否になりました。その時に古典的な文学などを読んで、作家になろうと決意しました。非行はやめた。学年末の試験の時、教壇に立って試験用紙を破り捨て、「詰め込みだけの教育は無意味だ。我々はブロイラーじゃない」と教育批判をぶちました。同級生だった新左翼活動家に誘われ、成田に行った。
  その後、新右翼に転向しました。火炎ビンやスパイ粛清の罪十二年、刑務所に入った。殺人、誘拐、放火など凶悪犯ばかりでした。彼らと話している犯罪者の共通性がありました。「神のサイン」なんですね。犯罪をやった時、「人生であの時だけ、キレちゃった」といんです。例えば、銀行強盗準備のため二十歳代の兄弟が車を盗もうと河川敷で物色しところが、車内にいた人にからまれ、兄が威嚇のため銃を発砲した。ふだんはおとなしい弟はこの音を聞いた途端、キレて別人になり、相手を数十カ所刺したというんです。
  私が獄に入ることになった事件もそうです。最初は粛清する気はなかったが、大きな台風が通過中で、目撃者がいないし、血洗い流されて証拠が残らないと感じ、キレてしまった。
  こんなに訳のわからない犯罪が多発するのは時代のせいでしょう。反社会性人格障害などの病名だけでは説明がつかない。バブルがはじけ、日本の社会がたそがれ崩壊というか、黄昏の時代になった。欧米でも不況の時に猟奇的犯罪が多発している。それといま問題を起こしている中高生の親は安保世代の後のノンポリ世代。安保世代は人生に目標を持ち、子供もしつけた。
  社会に目標がある時代には犯罪は少ない。たまごっちが流行るのは育てるという目標があるからです。小さくてもいい、若い世代に目標を持たせることが歯止めになると思うんです。学校の管理、警察の取り締まりは厳しくなる一方ですが、これは逆効果です。


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