声のデカい少女の夢

『名犬ラッシー」を見ていた人にはもうお馴染み、主役の少年ジョンを演じていたのが彼女、日高 奈留美さんである。声優雑誌でひんぱんに登場してきたわけではないので、日高さんを声優として知っている人はまだあまりいないハズ。でも心やさしいジョンの声から彼女をイメージすると、誰もがビックリするに違いない。へぇ、この人があの役を!」というギャップを楽しませてくれるヒトだ。
 華やかな雰囲気。背中の開いた黒いドレスなんか身につけたら、ジャズシンガーといっても通りそう。意志のこもった強い眼差し。そして色っぽいハスキーボイスに圧倒される。 自分の声がヒトサマよりイイなんて思ったことはないですよ。ただよく通る声なので「あっちのコ呼んでよ』なんて、遠くにいる人を呼ぶのにしょっちゅう使われてマシタ」
 カラカラと笑う日高さん。どうやら声の大きいのは、子供の頃から変わっていない様子。「始業式や卒業式では、いっつも《おニィさん、おネェさん、きょうは...ってヤツ、やらされてましたモン。『声、でかいね?」って言われ続けてきましたよ」。
 生まれた時から(?)やんちゃで活発で声のデカい少女は、とにかくゴッコ遊びが大好き。〇 ○ちゃんは××の役~”ってなオシバイに夢中になっていた。小学生の頃には早くも校内で小劇団を結成し、お楽しみ会などで披露するのが恒例だった。 「当時は子役ブームでもあったし、学校で劇団四季の子供ミュージカルを観たりして、けっこう刺激を受けました」
 そして中学では迷わず演劇部に入部、以降舞台の世界から離れたことはない。
 高校卒業を目前にして、いよいよ本格的に芝居の道に歩むことを決意した日高さんは、クラシックバレエを始めた。「バレエッて基礎だなって思って。もともと踊りは好きだったんです」。
 ちなみに今ではジャズダンスもたしなんでいて、劇団の新人に指導する立場になっている。 「そりゃあもう、うーんとちっちゃい時からお芝居がやりた?いって思ってた」彼女、 ひたすら女優を目指して努力、努力の日々。
 短大卒業後、劇団青年座に所属することになる。



劇団研究所に合格


 大きい劇団には必ずといっていいほど併設されているのが、その予備校的存在である。研究所青年座も例外ではなかった。入所テストに合格した栄えある30人は、一年(本科)から二年(実習科)に上がる際、約30人に絞られる。さらに研究所を卒業後、劇団員として入団できるのは多くてわずか五~六人。青年座の正式メンバーとなるまでには、厳しい厳しい選考の連続が待ち構えていた。
 研究所の二年間は、月曜日から土曜日までの終日、日舞、狂言、発声、体操などのプログラムがぎっしり詰まっている。だが日高さんには苦労した」とか「つらかった」という思い出がほとんどない。 「ハタから見たら大変かもしれないけど、本人にしてみれば、二年間とにかく好きな芝居を精一杯やってただけで...。私なんか、ほんとに自由奔放にやらせてもらった感じ」
 ケロリと言ってのける日高さん。 意欲が全く違いますよ」
 青年座のカラーはヒトコトで言えば放任主義先生に指導されるという立場にある以上、生徒はどうしても受身の体勢になりがちだが、その中でどれだけ自分のやりたい芝居をアピールしていくかが評価の分かれ目になってくる。 「自分から何かしようとしているコと、教えてもらおうと思っているコとでは、芝居へ向かう姿勢、
 と日高さんは断言する。劇団員であり、そして新人たちにダンスを教える先生でもある彼女には、その差がハッキリわかるのだそうだ。「でも、たいがい今のコは、教えてもらおうっていう受身ですね」。
 日高さん自身は正反対。小学校時代の劇団結成から始まって、クラシックバレエ、ジャズダンス・・・となんでもかんでも自主的にトライしてきた。だからこそ「(劇団員になるのは)そんなに大変だったという意識はないですねェ」なんてアッケラカンとしていられるのだ。
 ただ日高さんの場合、運が強かったという面もあるにはある。彼女が入団した年の青年座の演目は、十二、三歳の少女がヒロインだった。同期は、彼女のほかは男性三名。 「たまたま運がよかったのね。そのままその主役につく形で団員になって。背もちっちゃいし なもんで」
 目の前で喋っていると、子供っぽさなどみじんも感じさせない日高さん(まあ確かに童顔と言えば童顔だけど)。でもここまで読んできた読者ならもちろん「たまたま」や れたんじゃないことくらい、もうおわかりだろう。 「...でもいくつになってもネ、子供扱いされるんですよ。もう28歳だというのに、子供もいるというのに、まだ子供扱いしやがる、みたいな」
 口をトンガらせ、おどけて日高さんは付け足した(エーッ、ママだったの??またまたビックリさせてくれるなァ)。
 そう、実は日高さんには四歳になる娘サンがいるのだ。入団後すぐに結婚。結婚してもシバ イは出来るワ~”なんて思ってるうちに、いつの間にか子供ができちゃったとか。 「オマエは新人のくせに何考えてるんだ、なぁんて言われて大変でしたけど、好き勝手やらせてもらいましたねー(笑)、ゴメンナサイ!」
 芝居にテレビに忙しいママにとって、子育てはやはりハンディになるだろう。結局預けっぱなしになって、お嬢ちゃんがさみしい思いをしているのでは・・・と心配になったが、日高さん、ママとしての責任はきっちり果たしていた。目が離せない期間はちゃんと育児休暇を取って休み、見事に復帰(!)している。周囲も協力的だったのだろう。
 もう放映は終わってしまったが、毎週一回、『名犬ラッシー』の時間が来るとテレビの前に仲良く並んで見ていたとか。 「もう素直じゃなくなってきてて。私の前で泣くのがカッコ悪いんでしょうね、悲しいシーンになるとギュッと体に力いれて我慢してるの、わかるんですよ。振り向きざまに、かわいそうね」と言ったりして」
 ちびスケの顔を思い出して日高さん、クスクス。何とも微笑ましい光景。こういうのって役者サンでなきゃ味わえない幸せなんだろうナ)
 舞台はもちろん、CMやドラマもこなす。また声優としては、アニメにゲーム、CMに外画と、なんでもござれの大活躍。ご職業は、と聞かれたら日高さんすかさずナンデモ屋です!?
 CMやアテレコはほとんどオーディションで決まる。でも、せっかく受かったオーディションが、スケジュールの都合で引き受けられないことも。 「ほんとはあっちをやりたいのに、先にこっちが決まっててできないとかネ。いろんな仕事してる から、そこは仕方ないんだけど・・・」と、ナンデモ屋さんのささやかな悩みをポロリ。
 シロウト目で見ると、舞台も映画もCMもアテレコも結構似ているように思えるが、実際はその仕事によって現場の雰囲気がガラッと変わる。新人だったらオタオタしそうなものだけど、そこは日高さん、慣れたもの。「みんな初めて会う時は、初めてなんだから」ごもっとも。
 劇団に入った時から、「ハイ、あそこ行って」「こっち行って」が当たり前だった日高さん、あちこちのゲンバをまわることをシンドイと思ったことはない。「あとは自分がどう認めてもらうかっていう問題だけですよね」と余裕の発言。
 ・・・とはいえ、さすがに気丈な日高さんも最初はビックりしたという。それは劇団に入ったばかりのこと。いきなり「このドラマだから、○○スタジオに行ってね」と、当然のように言われた。
 「私は新人だというのに、いきなり一人で行けと言われても、誰に会っていいのか何をすればいいのか、ぜー んぜん分からないわけ。とりあえず地図を見て、何に乗ってどこで降りて・・・って調べて。で、なんとか現場について中に入ったはいいけど、今度はそこからどう行けばいいのかさっぱり(笑)。も野放し状態で、とにかく何でもやるぞって感じ」。でも自分にはその体質がピッタリだったのかも・・・と日高さん、振り返って思い出し笑い。



アニメ声優の現場

「気づいたら、いつのまにか声優をやってましたね」
 子供の頃からアニメは大好きだった。でも、特別なモノ」と考えていた。ましてやお芝居がやりたくて舞台に立った自分が、アニメに携わるようになるなんて、ユメにも思っていなかった。
 今、日高さんが持っているアニメのレギュラー番組は「こちら亀有公園前派出所」(原作は「週「刊少年ジャンプ』に連載中の同名人気コミック。通称「こち亀」)。子供だけでなく大人にも熱烈なファンを持つ作品ということもあって、放映時間も日曜日の夕方7時というゴールデンタイム!スタッフ、キャストともに気合が入っている。主役のズッコケお巡りさんはタレントのラサール石井さん。マドンナ的存在の婦警さんには森尾由美さんが起用されるなど、アニメ以外のジャンルからの参加も話題を呼んでいる。
 ただ、どのアニメも収録パターンはだいたい同じで、「こち亀のようなレギュラー番組なら週一回、30分番組なら三時間から四時間かけて収録される。台本は、収録日の一週間前に次回分を手渡されることもあれば二、三日前に渡されることもあるなど、脚本家のベースによってマチマチ
 こち亀の台本を見せてもらったら、各ページのセリフの上に場面状況が絵で示されていて、おおよその動きが把握できるようになっていた。セリフやト書きなどは全部手書き(学芸会のために字のきれいな先生が書いて刷ったといった感じの暖かみある台本である。今時珍しい...と思ったら、「アニメって、けっこう手書きのものが多いんですよ」とのこと)。
 日高さんの場合、まず台本は全部読んでしまって、その回全体の雰囲気をつかんでから自分の担当箇所をチェックする。そして上の絵と下のセリフを見比べながら、流れを頭に入れていく。 『こち亀』では有名なタレントさんたちとも共演している。日高さんの目から見て、彼らと声優さんたちとの違いといったものはあるのだろうか。もちろん日高さんだって舞台出身ということもあるので彼らに対しても"タレントだから役者だから声優だから"という意識は持っていない。 「気持ちの通じあうお芝居さえできれば、区別する必要なんてないでしょう。その人自身が満足のいくお芝居をすればいいんだと思いますよ」
 ただ、役者にはありがちなこと・・・と注釈つきで、日高さんは「声の収録中も自然にからだが動いちゃう」のだとか。走っているシーンでハーッ、ハーッと息を入れているうちに、気がつくと足踏みしていたり、物を投げるシーンでは手が勝手に画面と同じしぐさをしていたり。 「マイクにゴンって当たっちゃって「ノイズが入りました』って言われたりするんですけど(笑)。やっぱりネ、やらないとわかんないんです」 「こち亀」みたいにレギュラーなら、わりとすぐに絵の感覚がつかめるんですけど、単発モノだときっちり読んでおかないと、なかなか雰囲気がつかみにくいですね」
 と日高さん。しかし舞台と違って、セリフを完全に暗記することはないところなどは、楽と言えば楽。アニメでは、現場で急にセリフが変更になることも多々あるので、かえって覚え込まない方がいいそうだ。
 ここまでの作業を事前にすませたら、さあイヨイヨ現場入り!
 まず最初に、番組の画を通しで見る(この時、声を合わせたい人は好き勝手にしゃべってよい)。次に、30分番組ではCMをはさむ前半と後半とに分け、ひとまず前半から録っていく。テストをして本番。『こち亀』のようなギャグアニメやテンションの高い楽しいモノは、テストは一回。ノリが大切な話は、何回もやってしまうとかえってつまらなくなる。それに対して、じっくりストーリーを追っていくような話の時は、テストを重ねたほうがいい物ができる。一通り収録が終わったら、今度はNG部分ややり直したいところなどを抜き録りしてゆく。
 このように、前半が全てすんでからようやく後半のパートに移っていくのだ(30分番組が3~4時間もかかってしまう理由はこういう手間のかけ方にある)。 「アニメの場合は、自分が気に入らないと思ったら、監督さんに申し出れば何回かやらせてもら えるでしょ。ある程度気のすむまでやらせてもらえるのが、舞台ではありえないところですね」
 日高さんは舞台との違いをこう分析する。 「でも、現場でハッと気づくこととオンエアを見て気づくことって違ったりするんです。編集された段階になってから、トータルで見ないとわかんないですネー」



>まずは芝居が基本


 特殊な世界といってしまえば、確かに特殊なのかもしれない。でも芝居をやっている人間であればできないはずはない、と日高さんは言う。 「それに、スゴイ面白いんですよ」
 でも実は、その面白さに目覚めるまではけっこう大変...と思っていたのが本音。舞台出身者の中には、声の仕事を敬遠する人も多い。始めた頃は、線画やフキダシを見ながら同時に台本を追うという作業に四苦八苦した。 「あっちもこっちもって気持ちになっちゃって、自分の思ったようなシバイができなかったのが、精神的にすごくつらかったです」
 とにかくこのフキダシに合わせようとタイミングに合わせることばかりに頭が行ってしまい、演技をどうこうする余裕がなかった。何か違うんじゃないかな・・・という思いが常にモヤモヤしていた。だが、日高さんの場合、突然舞い込んだ初レギュラーがそのモヤモヤに終止符を打ってくれた。それが例の『名犬ラッシー』の主役・ジョン。 「初めて最初から最後まで絵のあるのがまず違いました。やっているうちに、自然に自分自身がアニメの画と同化していくのがわかった時期があったんです。あ、アニメだから、舞台だからっ違うものじゃないんだナって感覚を、そこで初めて味わったんです」
 もちろんそのレベルまで行き着くまでには大変な苦労があった。主役も初めてだったし、セリフ量も今までの何十倍(!)。おまけに相手(ラッシー)が犬なので、ずっと一人でしゃべってる感じ。 「一回一回は短い作品なんだけど、ドッと疲れましたね。極度の緊張に集中力も使い果たして。最初の頃なんて、やってるうちにドンヨリしてきちゃった」
 今でこそ笑ってそういう日高さんだけど、当時はそんな余裕は皆無だった。自分が何をやってるかわからないくらいヘトヘトになった。”あのシーンはこうだから、きっとこうすればいいんだなどと予習してきたものの、いざマイクの前に立った途端、きれいさっぱり忘れてしまう。
 実際に画面を見て初めてわかることが多いのにも戸惑った。”あら、ジョンはこういう表情してたんだ「ここはこんなに短かったんだなんて焦ってるうちに、どんどん芝居がとりとめのないものになってしまった。
 しかし、周囲のベテラン陣にも支えられ、回数を重ねるうちに日高さんは何とか〈ジョン〉というキャラクターに感情移入できるようになる。声だけで演じることへの違和感も日に日に薄らいでいった。そうなってしまえば舞台で培った演技力がモノをいう。もともと基礎はしっか出来ている日高さんなのだ。 「やっぱり相手がいるじゃないですか。そうすると、相手のセリフを聞くことによって、自分の感情が変わったりする。自分は「こうしようと思ってなかったのに、相手によってヒョッと感じが変わっちゃって、思いもよらない演技が出ちゃうことがある。それって舞台と一緒なんで「す」
 さらにもう一つ、声優という仕事に対する先入観がひっくり返った体験が・・・。 「演りながら画面は見てるんだけど、それとは別の画が頭の中に見える瞬間があったんです。相手とのカケアイをしてるうちに、フッと感じるんです。ああ、面白いなって」
 その日を境にシバイもアニメも区別するのはおかしい、一つのものなんだ」と確信するようになった。
 劇団ではアニメやアテレコに関する基礎的な知識を教わることはなかった彼女が、それこそ身一つで飛び込んだ世界。とにかく慣れるしかない」と手探りで始めた仕事が思いがけない充実感をもたらしてくれたのだ。
 根っからの芝居好きである日高さんは、どんなキャラクターを演じるのも楽しいという。でも今後はストーリー性が高く、大人が見ても納得できる、そんな作品をやっていきたい・・・という欲が出てきた。そう願うのは記念すべき「名犬ラッシー」が、とても印象深く残っているからかもしれない。
 といっても作り手である大人の自己満足で終わっていて、子供の心に届かないものでは困る。だから日高さんにとっておちびさんは貴重な情報源。「ママ」のアニメが始まると、必ず一緒にテレビに向かって座らせて、幼い彼女の反応をリサーチする。
 こういうのはウケないんだな。エッ、こんなことでコイツはウケんのか!? などなど、毎 驚かされる反応だらけ。 「子供の感覚って、大人の計算通りじゃないんですよね。ホント他愛もないことで笑ったり喜ん だり、不思議です」
 子供から、日々いろんな勉強をさせてもらってる日高さんである。



自分の感性を大切に


 よく喋り、よく笑う日高さん。芸能界の女性は男勝りなくらいでないとつとまらない、とはよく耳にする話だが、彼女はまさにその典型だろう。
 それも関係あってか、声の仕事はジョンを筆頭に少年役、男の子の役が多かった。だが以前『Gガンダム』では珍しくカワイイ系のキャラクターを演じたことがあって、その時もらったファンレターには仰天した。 「この子持ちの私に、こういうこと書くか~って」(一体どんな内容だったんでしょ)
 演じている人間の素顔も知らず、プリプリキャラクターと同一視してしまう盲目的なファン。応援してくれるのはありがたいが、そういう彼らの期待には、自分はとても応えられないと思う。だからこそ、今のアイドル的声優さんには感心しちゃう。 「イベントなんかで、キャラクター通りやってるのだけでもすごいのに、彼女たちはどこにいてもうワッと騒がれちゃうから、四六時中ピッとしてなきゃならないでしょ。私なんか機嫌のいい時はすごくいいけど、悪い時なんてもう最悪だし」。大変だな?、なんて半分他人事。
 日高さんは、仲良しの超人気声優さんがけっこう疲れちゃってる姿をよく目撃するとか。「二人だけの時や気が許せる人の前では、やっぱりかなりドンヨリしてるのよね。でも一歩外に出るとすぐにピキってできる、ほんとスゴイの」。声の仕事のほかにも、CD出してコンサートやって写真集出して...、そんな彼女たちのエネルギーにはつくづく感服。 「でも、皆さんに間違ってほしくないのは、声優=アイドルじゃないってこと」
 声優ブームの今、そんなアイドルを夢見て声優を志す人には日高さん、あえて苦言を呈する。 「アイドル的キャラクターの彼女たちは、声優としての力、役者としての力をちゃんと持っているんです。その上で、たまたまそういう才能があった人たちが、アイドルのようになっていっただけなんです」
 だから「アイドルみたいに売れたいからっていう理由で声優を目指すのとは、事情が全く異なってくる。もちろんそう思うのがいけないと言っているのではない。 「ただ一緒にやる私たちにしてみれば、ちょっと筋違いに思えるんです。タレントさんになりたいなら、何も声優さんになることないんじゃないかなって」
 声優としての面白さも、そして大変さも心底知っているからこそ「ごっちゃにしてほしくない」と、老婆心ながら一言。
 そして本当に声優になりたい人へ、「ハートを忘れないで!」とヒトコト。 「それらしい芝居をするってことよりも、互いに感じあえることの方が大切だと思うのね。共演している相手に対して、このヒト、自分で決めてきた芝居しかしないんだなってわかっちゃうと、こっちの気持ちがシュンって萎えちゃったりするんです」
 一つの作品はみんなで一緒に作っていくもの。決して一人では成り立たない。みんながいての自分である。 「だからこそ、自分の感性を大切にしてほしいと思います」
 と真剣な目でアドバイスしてくれた日高さん。舞台もアニメも洋画もCMも、全力で取り組んできて作品をつくるうえではみんな一つ"と悟った彼女。演技者として、最後に行き着くところはやっぱり内面の問題になるのである。


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