今まで、塀の中�≠ノ関する本は数多く出版されてきたが、ここまでブッ飛んだものはなかったろう。 著者は、スパイ粛清殺人事件や英国大使館火炎ビゲリラ事件”で殺人罪などの罪を犯し、服役経験のある右翼団体幹部。登場人物も、三越事件の岡田茂、あさま山事件の吉野雅邦、金属バット事件の一柳展也などなど 々たる(?)面々が実名で書かれている。 で、内容はというと、そこでの生活が苛酷である分、過激ではあるが、著者の淡々とした書き方のせいか、すんなと読めてしまうのだ。刑務所でのトホホな話も満載。ゲラゲラ笑う箇所もあれば、あまりの壮絶さに目眩を く 覚えるところもある。まさに 問題作なのである。

見沢さんは25歳から35歳までの1年間、“塀の中にいたというお話ですが、出所されて一番驚いたことってなんでしょうか。

見沢 ずっと独房にいたんで、人の多さにですね。例えば、電車に乗ったりデパートに行ったりすると人に酔ってしまう。特に、1年間、生身の女性を見てないから、シャバに出てきた時は、「なぜ、こんなに女の人が多いんだろう」って立 ち眩みを覚えました。

ははははは。

見沢 自分の知っている人間って丸坊主の囚人ばかりですから、「なんなんだ、この髪の長い異様な生物は?って (笑)。同じ人間に見えなかった。やっぱり、感覚がマヒしちゃうくらいの場所なんですよ、あの中はオナニーする自由もないし、 見沢だから、オナニーすると罰せられるんです、陰部摩罪で(笑)、これは東京拘置所での話ですけど、私は夜中にオナニーをしていたんです、こっそりと(笑)、見回りが来ない時間かわかっていたんで、楽勝だろうと思ってイッたら、看守が物陰から「動くな!」と証拠品として、 濡れたティッシュを押収され ました(笑)。

それは嫌だなあ。

見沢 その後、取り調べが待っているわけです。「私は、○時×分、雑誌を見ていて欲情してしまい、陰部を摩擦し射精をしてしまいました。大反省をしております」とい調書を取られて(笑)。もし、「自分はやっていない」なんて言ってもダメですね。取調官はティッシュをヒラヒラさせながら言うんですよ。「証はあがっているんだ」って。

その東京拘置所といえ ば、今、珍念こと山口敏 夫前衆議院議員も収監されていますが......。

見沢 これは聞いた話ですが、部屋が狭くて寒いから、壁をぶち抜いて部屋を大きくしてくれ、床暖房を入れてくれと注文が多いらしいですよ。看守が「どうして、そんなに無理ばかり言うんだ」と聞くと、「俺は長い間ここにいるんだから、それぐらいのサービスをしてくれたっていいだろう」って(笑)。

一見沢さんは千葉の長期刑務所に服役していたというこ とですが、長期刑務所という のは、一体どんなところなんでしょう?

見沢 殺人、強盗や誘拐なんかの凶悪犯罪を犯して、実質9年以上の懲役刑を宣告された人の入るところです。

『殺人犯に対して怒る 殺人罪の囚人たち』

囚人同士でイジメとかな いんですか?

見沢 ありますよ。外に開か れてない場所というのは当然のごとくイジメが発生しますね。 その囚人の犯してきた罪でイジメられるというケースもあります。例えば、強姦。刑務所での隠語でツッコミ。っていうんですけど、「オメエ、ツッコミか」ってさんざん馬鹿にされるんです。あと、放火もイジメられますね。あと、笑っちゃうんですけど、一日のうちでテレビが見られる時間があって、みんなでワイドショーなんかを楽しみにしてたんです。当然、ワイドショーですから、芸能二ュースの他に殺人事件なんか の特集もあるわけです。それ を見ながら、囚人が口を揃えて 「犯人は)なんて悪い野郎なんだ!」って怒っているんですよ(笑)。千葉の長期刑務所って、8割が殺人犯なんですよね。「おいおいおい。自分のやってきたことは棚に上げて」って思いました。

面白いお話ばかりなんで すが、刑務所でのつらいこととか今でも思い出しますか?

見沢 うん。特に、中で懲罰を受けて保護房に入れられた時はとんでもなかったね。真っ暗で音もしなくて、そこに手をかけられて転がされんだから。部屋の真ん中に穴が開いていて、それがトイレ垂れ流しなんですよ。あと、食事も手をされているわけだから、犬みたいに追いつくぼって食べなきゃいけない。精神的にも肉体的にもボロボロになりますよ。 そんな話を、知り合いになった元オウム信者の子にしたら、「見沢さん、すごく修行ができたんですね」って言われてしまった。違うっつーの(笑)。


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