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『「生きる」の黒澤明』 黒澤明:やはり演出家としてみれば面白いですね。見る前にいろいろ聞かされちゃったんだが知らずにみればもっと面白かったろう。
清水千代太:「第三の男」のあのショットの細かさは繰返し見れば見るほど面白いですよ。
黒澤明:あれは長いショットと短いショットのつなぎのうまさだ。
「座談会」
植草甚一:キャロル・リードの技巧に感心する。
荻 昌弘:描写の態度が非常に冷静なものだから、見れば見るほど味が出てくる感じがしますね。
清水千代太:キャロル・リードの映画は全部そうじゃないか。「邪魔者は殺せ」以後は。
滋野辰彦:省略と飛躍のうまさですね。
双葉十三郎:「第三の男」はぱっと散らかして、スポット的につかまえて、空間的合理性を無視したところがある。
滋野辰彦:時間と空間を無視することは、リードの映画にはいつもあるのだけれども、 現実のありふれた空間と時間を無視して、映画としての時間と空間を別に据えているのだ。
双葉十三郎:「第三の男」を普通の人が分からないというのはそこだと思う。
滋野辰彦:映画の時間と空間は現実そのままとは違うという事。
荻 昌弘:非常に拡大された時間もあり短縮された時間、飛ばされた時間もある。 よく見ると、その出し方が実に正確なんだ。