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三つの影が、鉄柵を乗り越えた。
緑色のヘルメットにマスク、 戦闘服に安全靴。 一番身の軽い元自衛官を先頭にして、三人はかなり大きいプレハブの仮設工事事務所に窓を叩き割って飛び込んだ。
灯りをつけて、何か反応がないか、しばらく様子を見る。 浦安の夜陰は、ネオン一つない深い闇の中、静まり返って車の行き交う音さえ聞こえない。
三人は、急に軽く笑うと素早く工具を握り、口々にアメリカを罵倒しながら、辺り一面黒板、デスク、ソファー、ロッカー、資料ケースやバインダー、ファイル、工事機器、電話、冷蔵庫、クーラー、地図、薬ボックス、コピー、無線機、工具類や設計機器果ては他の窓や便所、ドアのノブまで叩き壊した。
どっこい、20代前半の若い身体は疲れない。そのまま休息もせず、窓から外へ飛び出る。 やたら広い工事現場を見渡して、三台あったブルドーザーを指差すと、小走りで、まずその一台に近づいた。 元自衛官が工具をいくつか手にとって勢いよくブルの上にのぼり、教導で習ったテクニックで大小色々のタンク類や異物混入に弱いローラー系からバッテリー類などまで、繊細なジークフリートの背中を探しまわる。
その間、残りの二人はビニールのゴミ袋に砂をかき集めて運び、元自衛官がそれをタンクなどに流し入れ、「さあ、一台撃破。次行こう」と、結局三台のブルをスクラップにして〈統一戦線義勇軍〉のビラを撒き、そ れを事実上の“犯行声明�≠ニして素早く走って引き上げた― 「良心的な政治指導者はテロルを排してはならない。テロルを、原則的に、はっきりと、偽りなしに、飾りなしに根拠づけ、ルールとして定着させなければならない。誠実で良心的な者ほど、より無慈悲なテロルを行い得るものである」(『書簡』レーニン) (私のした、今は皆が批判する政治的事件への)罵倒、嘲笑、批判、悪口、デマーと、口だけは勇敢な過激派で、じゃあ私の行ったテロルの現場に連れていき、「すばやく手伝いたまえ」と言われて、 手伝うどころか、腰が伸ばせず起立できないであろう立派な活動家である諸君、さらば!