究極超人あ〜る
1991年 ゆうきまさみ 作![]()
究極超人あ〜る
| ゆうきまさみの代表作であり、80年代サブカルチャー全盛を捉えた歴史的コミックでもある。 今昔関係なしのサブカルネタを連発しまくるといった流れが特徴で この世代特有のサブカル寒さと、何故か貫禄がつかない幼さというのは こういうノリでしかクリエイトできないという時代ゆえの弱点が原因なのだろう。 つまりマニアに過ぎないと。アンノウも押井守もサブカル系のマニアだった。 いくらイイものを作っていても過去の作品の引用ばかりが目につく。 彼等は一生一級になれないとゆー気がする。可哀想であるが、もうこればっかりはしょーがない。 押井もアニメ「作家」ではないのだ。結局知識あるマニアなサブカルマンだったのだ。 ギリギリオリジナルだけで勝負できなかった世代である。 ただ、オリジナル部分はそれなりに、立派で優れておる。 ゆうきまさみの場合、パトレイバーは少々オタくさいが 「超人あ〜る」はギリギリ一般ピーポーでも楽しめる作品なのであ〜る。 ・・・やはり、この世代からアニメーション界は幼くなった気がする。 プロの集団という硬いイメージから一転、オタクまたはマニア集団がメインで物を作るようになり それこそ大学のアニメ研究会みたいなノリで、内輪ネタや引用ネタを連発しまくるとか。 本作もその例に漏れず アニメ業界にいるスタッフのキャラを作ったり、声優にその人たちを呼んだり。 功罪あります。楽しい面もあれば、今に続く軽薄な面も生み出したというワケで・・・以上! |
ゆうきまさみの絵がすごく上手い。スッと無駄がない。学生対象の漫画として最高の部類。
あ〜るくんのキャラクターも可愛い。男の子も女の子もみんな可愛らしい。
話も上手い。無駄がない。単行本は全9巻。ワイド版は全4巻。実がぎっしりというワケだ。
1985年から1987年まで連載。少年漫画の絵も、85年を境にどんどん変わっていった。
本作は当時からして、まったく新鮮な新しい時代を予感させる絵柄だといえる。
光画部という写真部のでき損ないにあ〜る他、主要メンバーが集結。それを嫌う生徒会長。
本作は80年代のノリに乗り切れるかどうかにかかっている。
基本、勢いあるサブカル的なギャグの応酬に終始する――この当時の――特撮とか天本英世とか――ワケだが
それに加えてOBの存在と時間の流れも肝である。
最初はあ〜るたちが2年生、鳥坂部長が3年。
で、あ〜るたちが3年になって鳥坂が卒業しても、鳥坂は市役所の仕事と兼任して
しょっちゅう部活動に参加する、それもメインで。こういう流れが本作のテーマと言える。
あ〜るたちが卒業し、新たな部長が生まれ、新入部員が入り、OBとして鳥坂やあ〜るたちが部活に参加する・・・
この漫画で語られていることは、ともかく彼等は
母校で後輩たちと共にバカ騒ぎすることを恥とは思っておらず、逆に
母校や後輩、先輩、そして光画部を愛することを誇りにしているという事・・・
本作は「究極超人あ〜る」をあくまで狂言回しに、彼を取り巻く学生たちの青春を描いた作品である。
ギャグや描写に時代の癖があるものの、学生生活の爽やかさは正統派な描き方である。
鳥坂もあ〜るも、みんな、高校で過ごしたあの時間が大好きだったのである。
彼等にとって高校とは、たとえ卒業しても一生関わり続けたい「終わらない夢」なのである。
そんな「高校生活こそ最高じゃ」という
高卒後、市役所に勤務し、そのまま夢を見つづけてきた、ゆうきまさみの青春の告白でもある。
そして普遍的な・・・夢なら覚めないでくれといった儚さ、その美しさを訴えた作品でもある。
だからストーリーはあってないようなもの。いや、ない。
うる星やつらみたいに学生主体の学校活動とか選挙とか戦争(ミリタリー)とか。そんな大人ぶったところとか。
最後は、あ〜るが青春のシンボルであることが語られ、本編が終わるわけだが
あ〜る以外のキャラクターの強烈さもすごい。ということで紹介。
鳥坂先輩は本作の支柱である。彼こそが終わらない夢を象徴する男。
彼があってあ〜るがいて、本作が成立している・・・言い過ぎ?
もちろん他のキャラクター全員はずせないですよ、でもこの二人だと。
今見るとクサいね、技をかける鳥坂、受けるあ〜る。その
ギャグを越えて、ほぼ青春になっているという・・・お約束っつーヤツよ!
イイくささ。おもしろくないとかじゃなくて、爽やかすぎるというのだ。今の時代にはね。
イイキャラです。親分肌で、オタクっぽいところありながら、アウトドアに爽やか。素顔もきっと二枚目。
単位不足で、補講受けずに、部活したさに留年までしようとした愛光者。
結局、公務員となって、その後も部活に入り浸る。
こんな先輩(人)いたらいいな〜を体言する男で、修学旅行に
用もないのにバイクかっとばして、あ〜るが無事に到着したのを見届けて帰るとか、妙な感動。
あの・・・ピクシブという二次創作サイトで、鳥坂とあ〜るの小説があったんですよ。
鳥坂ヤンデレ気味というヤツ。おもしろそうなので読んでみたらね・・・分かるんです。
ムリでないんですよ、鳥坂のキャラで。あり得るんですよ。ものすごい自然な感じですよね。
キワキワなんですね、鳥坂は。まあぶっとんだ人が多い本作でも特にギャグマンですし。
ああいうムードは・・・いいな〜という。結局ね、鳥坂は寂しいんですよ。
社会人としての鳥坂はほとんど描かれませんから。寂しいんです、だからいつまでもあ〜るたちと
遊び続けるんでしょうね。かわいいやつです。
R28号ことアキラ君の複製こと、究極超人あ〜るくん。
世界征服を企むマッドな博士が作ったロボ。
基本ノンビリとしたボケボケクンだが、調子が悪くなるとクールな2枚目になる。
米しか食えない。バレンタインでも米かせんべいしか食えない。
ガツガツしない2枚目の天然クンなので女の子にモテる。
さいごと椎子とえりかと一般生徒にバレンタインチョコを貰う。小夜子もあ〜るの磁場が好き。
徐々に影が薄くなる。同人とかじゃ強姦マシーンになる。色々扱いが悪いヤツ。かわいいポンコツロボ。
大戸島 さんご
語り部。実質的主役。気立てのいいナイスガール。
椎子と親友。あ〜るを気に入っている。真面目。運動神経抜群
幼児体系と称されるがプロポーションはイイ。毎度毎度水着が際どい。
実のところ一番のサービス要員。作中一番の見せ場は、なんといっても
パンティーラインの日焼け跡を見せる場面。アレはすンご〜いゾ。
極めてスタンダードな魅力であり、生徒会長とも戦うし、部員にも教師にも信頼されている。下ネタも言う。
あさのやきしだと共にあまり勉強できないイメージだったが
「やはり」そんなことはなく、最後は区役所に受かり、公務員となった。
あ〜るを見つけたのは彼女と椎子で、最終話でも彼女たちが
行方不明だったあ〜るを発見した。
彼女もまた本作のシンボルであり、本作の青春とか、永遠〜とか
そういう全てのエッセンスが、あのバレンタイン回の
おにぎりを食べるあ〜るを見つめるさんご、というシーンに凝縮されているのだ。
彼女のパーソナリティは決して漫画だけの存在ではなく、現実にも結構いる。
しかし、学生時代にしか持ち得ないものもあるので、やはり貴重な数年間と言える。
鳥坂さんの説明は言いすぎましたね。この3人で全て。
堀川 椎子
しいちゃん。さんごの親友。真面目。有能。大人っぽい。縁の下の力持ち。
ニキビ顔だがルックス抜群。頭も運動神経もいい、さんごの上位互換。
むちゃくちゃな部員の集まる光画部の中で、最もな常識人。
彼女の常識ぶりで光画部が助かったこと多数。浮いた話はない。
ただゲタ箱にニキビ治し封入のラブレターが入っていたことも。色恋沙汰は硬派。
これまた日焼けしたタンクトップ姿が一番色っぽい。
基本テンパっぽい短髪だったが卒業時から伸ばしはじめ
最終話ではセミロングになっていた。このモードがすごくいい。
原作終盤やOVAでは、何かパトレイバーみたいなルックらしい。ニキビも消えた。
卒業後は日大の写真学科に入学。
ちなみに声優の富永みーなは脚本コース落ちの日大演劇学科。
大人っぽく控えめなので、出番は多々あるが、イイ意味で空気なのである。
天野 小夜子
リアル幽霊部員。イイとこのお嬢様。気が強くひねくれている。
元バレーボール部の部長。猫目。ドえらく可愛い。謎の転校生。
祖母がイイとこの女子高に行かせようとしたら反抗し
(ショボい)交通事故で幽体離脱できるようなって以降、肉体は病院で
実態ありの意識はあ〜るたちの通う春高に住み着く。
最初は除霊を考えられていたが、彼女の正体が分かってからは
鳥坂が光画部部員に指名し、あ〜るの磁場に引っ付き登場する準レギュラーと化す。
2年の終盤に祖母の許しを貰い生身で転校。光画部の部長、女版鳥坂として頼りになる存在に。
カメラも何も持たず(そもそも写真を撮らず)、守銭奴で、高慢ちきな感じなんだが
かなり常識人である。疲れるとあ〜るの磁場で癒してもらうとこ以外は。
美少年・兵頭信とよく絡んでいる。基本、信にあきれているが
インスタントカメラばかり持つ彼のために部費の使い道を考えていたこともある。
OVAの声優が兵藤まこ。声優のが後に決まった。
頭もよく運動神経もよく家柄もよく・・・と完璧な印象だが、いや実際完璧ですね。
大人気キャラ、たぶん、おそらく。
西園寺 まりい
生徒会長。ムチャクチャでロクに実績もない光画部を目の敵にしており
廃部にしようと企む悪役(?)。しかし光画部の全てを憎んでいるだけではなく
真面目な人間には優しい。つまりやることやっていれば認めてくれる・・・生徒会長の鑑。
部下に鰯水がおり、彼に想いを寄せられている。しかし鰯水も光画部に入部する。
妹に二歳下の、光画部に入部したえりかがいる。
鰯水 等
まりいの参謀格。色男。女好き。まりいが好きで、中々いい感じ。
しかし最終的に光画部に入部。そこでの部活を楽しむ。いい人。
西園寺 えりか
まりいの妹。アーパー。ビョーキの娘。あ〜るがコケてスカートをずらし
パンツを露出させてしまって以降「私も好き」と、あ〜るに好意を寄せる。
何もできない娘で、何も分からない。何も知らない。
入部後はダボダボの学ランを着ていたが、後にフツーの服を着るようになった。
意外にまりいに従順ではない。アーパーだがバカではない。よーわからん子。
兵藤 信
癖が強い美少年。アホ。ホモっ気があるものの、ビミョーなところ。
モテモテ。小夜子とイイ感じだが、別に何かあるわけではない。
剛という同期がおり仲がいい。
あさの
レギュラーだが空気なメガネくん。きしだと親友。
さんごを越えるツッコミ役。きしだより出番が多い。いいやつ。
頭は良くなく、きしだと共に受験に失敗。一浪を決意。
きしだ
同じくレギュラーだが空気な不良面。でもフツーの奴。いいやつ。あさのと親友。
OVAの声優がハセー!だった。無個性だが面倒見はいい奴。
連載終了後の1991年にOVA発売。まりいの陰謀で
絶対に制限時間内に間に合わないスタンプラリーに参加する光画部・・・といった内容。
これまた駅・電車マニアというサブカルチャーに媚びる内容。
連載終了後の物語であり、小夜子が部長として立派に活躍。
一年生はおらず、だから往年のレギュラーメンバーが勢ぞろい。
たわばは登場しない。まあこの人顔悪いからね、しょうがないね。浮いてるし、もうオッサンだし。
このOVAは中々の傑作で、名作でもいいんじゃないですか。
本作知らなくても楽しめる・・・ぐらいに内輪ネタが薄い。
つまりサブカルネタも少なく、写真部(光画部)学生の普遍的・・・いや学生の日帰り旅行のムード。
日帰り旅行というか遠足というか・・・ともかく青春を描いているのであった。
作画も安定して、雰囲気よく、その実際の駅とかロケーションとか、キャラも立ってるし
50分ぐらいの本編だが、かなり見ごたえがある。これまた実がぎっしりというワケですな。
バスの中でぐだーとしているシーン、夜、みんな肩を寄せ合って寝ているシーン
小夜子の水着・・・等々見所は尽きませんぞ。
朝始まって夜終わるアニメ。青春なのであった。最後がスーパーアクションというのも少年漫画らしい。
自転車でかっとばすのは形式美として、あのスタンドバイミー的な電車に追っかけられるのも良かった。
しかしさんごは社会人に見えませんねー、あの服とか狼狽しているサマとか。でもカワイイから、いーのダ。
きしだの声が長谷有洋。これはサブカル的な起用ですな。ファン的な。
兵藤まこもそう。押井守に気に入られ、サブカル的人気を博す。
どっちもイイです。長谷が本当ヒューマンな声、演技なのです。
スターにはなれないが、確実に効果を出せる役者だったのです、残念。
小夜子は兵藤まこも島田満も、どちらもよかった。兵藤は高慢ちき、島田は色っぽく。
原作と比べて顔がアニメナイズされてる小夜子。
繊細さも色っぽさもないが、まーこれが本当の彼女なのでしょう。
さんごも、「米」って感じ。椎子もニキビが消え顔が変わった。男は変わらない。
フツーの人なのです。極めて常識人。鳥坂と言い争うのすら常識的。
水着シーンで一瞬だけ(顔が)色っぽかったが・・・アレが本当のサービスシーンてこと!
あ〜ると背中くっつけあって寝ているのがイイ。アレ狙ったシーン。
意外にこういう素朴で普遍的な学生の青春シーンを描いたOVAって少ないので
本作はその先駆けともいえるし、最高傑作でもある。嫌味もなく、充実であ〜る。
(追記:今見るとゆうきまさみ辺りのグループの臭さがキツイね)
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