頼れる兄貴 ジャイアントデイビス誕生
デイビス大佐
1998年 fromアルマゲドン
強烈なトラウマを残したこの人物。 端的に俺は彼の容姿が気に入った訳で、中学生の時分は一旦注目しだしたらもう止まらんかったね。 登場シーンは少ないながらもアルマゲドン登場人物の中で最も誠実、一本筋の通った行動は非常に魅力的なのだ。 早速紹介をば。
これがデイビス大佐だ!
空軍大佐。少し太めの体格に白髪。強そう。 優しい。ユーモアのセンスがある。 ならず者達に率先して溶け込もうとする心。 この項ではこれだけだ。 順を追って彼の行動を見ていこう。
衝撃の登場
掘削チームが搭乗するシャトルを見学する場面で鮮烈なデビュー。 腕を後ろに回し、無難に頭を下げるデイビス。
その顔からはーーコイツ等とやっていけるのかという不安、 作戦に選ばれたプロの掘削団達を良く知りたい「俺は興味を持ったぞ」という 積極的な意思表示が見受けられる。 皆が戦闘機の後部座席で耐久テストをやり降りてくる時 太っちょのマックスが「吐いてごめん」と謝るシーン。 彼と肩を組み一緒になって歩いているのだ。
マックスが謝った際、ニコッと笑顔で彼を見る。
「気にすんなよ」そう語りかけてでもいそうなシーンである。 自らのチームだけでなく他のチームの乗員も仲間だ。 任務は全員でやるのだ。シャープは自らのチームも省みなかったがデイビスは違う。 仕事の成功の秘訣はチームワークなのだ。 作戦を聞く為のミーティングではペンをせわしなく動かす氏の姿が映る。 緊張の為ではない。集中する際にはペンを置き、手を合わせる。
ペンを動かしている事に大きな意味はない。きっと彼の癖だ。 そわそわしているのは彼だけであるが。 AJが醜態を晒すシーンでも一番奥で状況を綴っている。 AJはデイビスの班であって発掘リーダーでもある。 トランス・ミッションが動かなくなった時、心なしかガッカリしているようだ。
このじゃじゃ馬が世界を救ってくれるのか?キムジー将軍のセリフが思い出される。 ついに打ち上げの日が来た。皆一様に緊張した表情である。 ある者は神を仰ぎ、ある者は別れを惜しむ。 そんな1シーンである。
ロックハウンドのアップシーンであるが、デイビス大佐はピントが外れた先にいた。 向こうを見たままじっと動かない大佐。その視線の先には何があるのか。。 AJが恋人の為歌うシーン。AJの仲間達もこぞって歌いだす。 ハリーも呆れ顔だったが、別れの前の一騒ぎというところ。ほっこりする場面。 そんなバカ騒ぎをする連中の奥 彼らを凝視する我等がデイビスと その後ろに付くことが多いハルジーである。
この間、何を考えていたのかは知らないが、これだけははっきりしている。 彼らとチームを組んだことを誇りに思っているという事。 いよいよこの驚愕の全容が国民にお目見えする。 この時点で彼らは英雄である。
デイビスの一文字に引き締まった唇が五感を刺激する。安心感と優しさと・・・etc。
この場面ではデイビスの表情を拝むことが出来ないが 見る人にはわかる圧倒的存在感を誇っている。
乗り込み前
いよいよフリーダムの乗組員としばしの別れの時がやって来た。 フリーダムは右、インデペンデンスは左。 幸運を。とデイビスが繰り出したサムズアップのサイン。
しかし気付くことなくシャープは行ってしまう。 だが、問題はない。要は心であり気持ちである。 確かな実績と強靭かつ立派な人間性を併せ持つインデペンデンス号機長は 幸運のサインを出したまま、愛機へと進んだ。
皆がシャトルに乗り込む際 デイビスは傍らで皆が入っていくのを待つ。
きっとデイビス独自の判断であろう。 声に出さずとも視線が語っている。「皆、頑張ろうぜ・・・」と。 ここまででも理想的なリーダー像が描かれていることが分かる。 そしてそれはおそらく俳優マーシャル・R・ティーグの確かなアドリブにより確立されたキャラクター像であることは間違いない。
宇宙からガソリンスタンドまでロボットアニメの主人公ばり
シャトルの打ち上げは着々と進み、ついに発射。 いよいよデイビスの出番である。彼の伝説が始まる。
何かを吹っ切るかの様な表情。
迷いはもうない。 彼の見つめる先は一点。宇宙、そして隕石である。四捨五入して一点、地球の未来をーー。 宇宙へ飛び立った。デイビスは叫ぶ。 「ヒューストン!すごいパワーだ!」 原語ではkick-assとまで言っているので分かると思うが 彼はこれまで体験したことのないようなパワーを全身に感じている。 デイビスがそうなのだから皆同様に感じたろう。 しかし他の人物はそういった類の言葉を発していない。 つまりデイビスは根っからの飛行機野郎だとーー宇宙野郎、いやスペースカウボーイと命名する。 世界を救う任務で未知のパワーに興奮する機長ーーそれは余裕をも感じさせる。 彼は真に飛行機(この場合シャトルだが)を愛し操縦に絶対の自信を持っているのであろう。 こういった「余裕」から出る発言はそういった解釈も可能だ。 ガソリンスタンドに乗り込んだインデペンデンス・クルーを先導するデイビス。 「大佐」 デイビスはシャープに発信する。 シャープは軽い会釈の様に敬礼(一瞬)をするがデイビスは違う。 じっくりと時間をかけて敬礼する。(3秒程度) そのずっしりとした行為にはこの重大な任務の価値が表わされているのだ。
宇宙に出てから初めて顔を合わせた2人。 年齢的にはデイビスの方が上だろう。 いや全クルーの中で彼は最年長であろう事が 容姿から推察出来るが(ハルジーとタメかもしれない)、 フリーダム・クルーの無事とこの作戦を共に成功させようとする 彼の熱い気持ちが画面を通し我々に伝わってくるのだ。命がけの敬礼ーー デイビスの腹が出ている事が分かる。筋肉ではないだろう。 中年親父などと言ってはいけない。
燃料のロックをする際、両クルーに設置場所の指示を飛ばす。 シャープは何もしていないが、デイビスは自ら率先して燃料補給の準備に入っている。 (腹はでているが筋肉はある。ムキムキ。)
燃料が漏れ警報がなった際には、 皆のいる場所へ戻りグルーバーと共に消火活動にあたる。 しかし火の勢いは止まるどころか、より激しさを増す。 AJを助けようとするシャープを制止しその場から脱出、ハッチをしめる。
この一連の流れでのデイビス大佐の働きは見事である。 脱出を急いだかに思えば、じつはギリギリまで炎の様子を見張っており、
AJを助けようと粘っていたシャープを止めようと奮闘した。
また、年の功とでも言おうか状況に戸惑っているシャープを 自らの明快な指示で脱出を促す。
もちろん乗員の命は大事だ。 しかしシャトルか乗員どちらかを天秤にかけるとしたら 間違いなく前者の方が優先対象になるのだ。 このデイビスの一瞬の判断が シャープ達を助け結果、皆無事にシャトルに乗り込めることになったわけ。 シャトルに戻った際はすぐさま脱出準備に入る。 60億の命が懸かっている。どうしようもない。 「ハッチを閉めろ、早く!」
しかしデイビス大佐、ぎりぎりまで発進をためらう。すぐさま発進をしない。 直後にAJ達が走ってきたから助かったものの、そうでなければ全滅は間違いなかった。 彼の直感ーーそれがのちにフリーダムの、いや地球の人々全ての命を救うことになる。 直後ヒューストン、フリーダムに届けたメッセージ。 「インデペンデンス・クルーは全員無事。1人客も増えた」 心配していた全員の安堵のため息は ベテラン機長ならではのユーモアが入った生還の返事により無事なされる事となった。
訓練の成果と墜落生死を懸けた賭けも無事に勝利したデイビス
これから尋常ではないGに絶えなくてはいけない。 ハリーも皆に「遺書を書いたか」なんて微妙なジョークを言う。 デイビスは皆に語る。 「ようしみんな!訓練の成果を見せてくれ!しっかり踏ん張れよ!」
その言葉が合図かのように皆神妙な顔つきになる。 しかしデイビスはこうも言っている。 「お前達なら大丈夫だ・・・」と。 そしてここでのセリフは職能はもちろん、デイビスの人間性に触れる大切なものである。 シャトルのパワーに興奮した際のセリフと同様、彼の人間味をーーロボットアニメのような興奮、昂りが伝わる。 アメリカン親父はブルース・ウィルスだけでない、デイビスもまたアメリカのイカした親父ぶりなのだった。 何とか無事に目的地までたどりついたシャトルを待ち構えていたのは 予想を超えた光景だった。 デイビスは再び言う 「しっかりつかまれ、揺れるぞ、回避飛行に移る。」 ここからはレーダと己の感が全てを決めるのだ。 「行くぞ!」デイビスは叫ぶ。 おびただしい数の隕石をくぐり抜る。 レーダーに表示される。 「もう少しで着陸地点だ。」 タッカーが叫ぶ! 進路を変えよう! デイビスは拒否した。 つっこめ! 隕石がシャトルのエンジンに直撃する。 「しまった!」 この直撃でデイビスを責める事は出来ない。 レーダーにはもう少しだと表示されており、 このまま行こう、早く着陸しようという気持ちになるのは当然ーー 隕石が直撃する”最悪”ばかりに気をとられては仕事「着陸」はできない。 レーダーを見ていれば絶対に安全か?そんなことは断じてない。 それにあのスピードだと進路を変えようとした所で直撃していたかもしれない。 あるいは別の隕石か。 しかしデイビス描写の頂点はここから始まるのである。 必死にヒューストンにSOSを送るデイビス、タッカー。 デイビスは早い段階で墜落をすると告げている。 こうなったらもうコントロール不能だ。落ちていくインデペンデンス号。 デイビスは叫ぶ。
生命維持装置の装着と貨物エリアに避難する事を パニックになっている乗員にハッキリとそう告げる。 皆急いで生命維持装置をかぶろうとする。 この時点で彼は自分は助からないだろう、そう確信しているのか逃げだすそぶりすら見せない。 いや今更無駄かと思ったのかもしれない。 タッカーも同じである。しかし彼は完全に絶望している。 デイビスはフリーダムを見つめ、呟く。 「フリーダム、頼むぞ。」 腹を決めたデイビス。
俺達はもう駄目だ。後は君達が頑張ってくれ。 地球を、祖国を救ってくれ! 万感の重いが伝わってくるこの名セリフ。 圧倒的脅威からの自由を掴み取ってくれ!アメリカは自由の国だから・・・ きっとヒューストンにも聞こえているだろう。何という英雄! タッカーはもう駄目だと呟く。 直後目の前に迫り来る隕石。 たとえ死を覚悟しても、サムライでも、生存本能がNO!NO!とデイビスにそう叫ばせている。 さらばデイビス。 フロントガラスは割れ、デイビスとタッカーは宇宙へ放り出されていったのである。 デイビス達は死んだが 世界中の人間が彼らを末代まで語り継ぐだろう。 アーメン
吹き替えについて
ソフト版の得丸伸二はまさに適役。 デイビスの容姿からは、まさに盲点を突かれるというか。柔らかい、ソフトな声だった。 キャリアが少ない人間でもキャラのイメージとマッチしていたら使おう。 有名声優より映画のイメージを大事にしようといった気持ちが吹き替え制作チームには存在した。 平尾デイビスの紹介もしたいと思う。 立木デイビスも存在するが、特に覚えていないというかあまり存在感がなかった。 得丸、平尾氏共に余り有名でない。 舞台を中心に活動されているから吹き替えキャリアはさして多くない。 しかし、だからこそどんな役でも全力でぶつかっていこう。演じていこう。そんな思いが伝わってくる。 立木さんはベテランであるからそつなく役はこなすがそれ以上はない。 真のデイビスはソフト版、日テレ、テレ朝verのみ存在する。 平尾デイビスはこれまでと異なる熱血漢のイメージを作り出した。 ソフトな得丸デイビスとの比較をする。 G耐久前のシーン 得デ「みんな、訓練の成果を見せてくれ。しっかり踏ん張れよぉ!」 平デ「この為にトレーニングしてきたんだぁ!その成果を見せろォ!」 皆の不安を前に高ぶる平デ。 隕石群のシーン 得デ「行くぞぉ!」 平デ「行ィイくぞぉぁっー!」 きっと未知の光景を目にする14人の英雄には興奮剤が手渡されているはずだ。 平デはモロにその効果が現れている。 墜落時 得デ「みんな、生命維持装置を装着!いそいで貨物エリアに避難しろ!このシャトルは墜落する!ヒューストン!・・・ヒューストン 我々は墜落する、制御不能だ!」 平デ「全員生命維持装置を付けろォ!クァ物エリアに避難しろ!・・・墜落するッ...!ヒューストォ!インデペンデンス制御不能! ッ!墜落するゥー!」 少しでも生存者を増やす為、必死に命令を下すデイビス。 どちらも悲壮感が伝わってくる。 テレビ吹き替え版はカットも多いがデイビスのシーンはおおまか残されている。 皆も確認してみよう。
その他
驚くべきはデイビス達の尽力により生還したAJの言葉。 仲間が2人死んだ事と・・・。状況を周りに言い聞かせるAJ。 仲間が2人、オスカーとヌーナンの事であろう。 つまりデイビス、タッカー、ハルジーは彼らの仲間ではなかったのだ。 AJは悔い改めるべきだ。5つの言葉を聴きたい。 インデペンデンスが隕石に当たり、フロントガラスが割れるシーン。 その直後、衝撃に動けないデイビスを横から捉えたカットがあるが 画面左上を良く見て欲しい。 眼鏡をかけた顔が映っている。クルーの中にそんな顔立ちの者はいない。 スタッフが映ってしまった訳だ。
シャープ大佐との比較
見た目ではデイビスの方が年上に見えるがやはり体格 白髪まざりの髪がそうさせているのか。 クルーへの接し方はお互いに異なる。 ロクに会話を交わそうとしないシャープ(ありえない)に対し デイビスは他クルーに対しても積極的にコミュニケーションを取ろうとする。 どちらに機長、チームリーダーとしての資格があるかと言えば、 間違いなくデイビス。 シャープは常に独りよがりで、バリバリのマニュアル人間に感じる。 チームプレイには向かない性格、人間であろう。 だからハリー達を信じたりせず、意味のない花火を打ち上げようとしたのだ。 掘削チームに対し「NASA始まって以来の大失敗だ!」と吐き捨てたシャープ。 一体どちらがNASAにとって必要か不必要か。 だからこそデイビスが年長者としての役割を発揮できず 志半ばで死亡した事が悔やまれる。 デイビスならシャープに協力することの大切さを説いたに違いない。 とっさの状況判断についての考察だが、ここぞという所で若さが露見する。
レヴはAJを助けようと決める。 デイビスは早く脱出しようと決める。 しかしシャープはその両方で揺れている状態だ。 仮にこの場にデイビスがいなければ、シャープは AJを助けることに躍起になり、フリーダム号は全滅していたのではないか。 今日はデイビスどこへ飛ぶ